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1999年07月01日(Thu) 曇り のち 雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 17日目 網走の冬は寒かった…らしい。

 今日から7月。この旅も17日目だ。長いような、短いような…。 全道の地図を見ると、自分が通ってきたルートの長さに驚きもするけど、でも、結構無我夢中で走っている時も多かったせいか、それほど時間を感じていないのも確か。ゆっくりと思い返してみれば「ああ、あそこはキツかったよな」とか「あそこは良かった」なんて思いつくけれど、パッと思い返すとなんだかぽっかりと時間だけが過ぎていて、あんまり記憶に無い…というのが正直なところだ。

 そんなワケで、今日はしっかりと記憶に残るよう、博物館などをまわってみようじゃないか…と、「網走監獄」というところに行ってみた。天気は、朝方日が差していたけれど、まぁ、午後くらいから怪しくなってくるのだろう。早め早めの移動が大切。 ここは網走刑務所の博物館なのです。こんな博物館もあるんだなぁと、興味津々で入館。入館料1,050円也。結構高い。初めはやめようかと思ったけど、こういう時のお金をケチってはいけない。

 中はいろいろな展示物があって、払っただけの元は取れる。小1時間程度で見終わった。舎房などに入って見てみると、ホント、冬は寒そうだ。北海道開拓なども、こういった受刑者達の労働によってなされていたという歴史もあり、なんだか見聞が広まった感じ。今じゃ東京−北海道なんて飛行機で90分程度だけど、昔は3泊も4泊もかかっていたのだとか。面会に訪れる家族も、たった30分程度の面会のために、それだけの時間をかけてここ、網走まで来ていたのだそうだ。

 面会室だとか、裁判所だとかが忠実に再現されていて、そこに置いてある人形がこれまたやたらとリアル。いつ動き出しても不思議じゃないようなたたずまい。一瞬、人が居るのかと思って何度も驚く。(^^; 受刑者の「たこ部屋」なんてのもあるんだけど、寝ている人形の中に混じって誰か寝ていてもわからないようなリアルさというか、怖さというか…。「いきなり起き上がったらどうしよう」とか考えちゃう。

 とにかくなかなかに面白いところなので網走にお越しの際はぜひどうぞ。

入り口の鏡橋。 いきなり「たこ部屋」です。(^^;
入り口の鏡橋と、いきなり「たこ部屋」です。(^^;

正面入り口の門の再現。 面会の様子。人形がリアル。
正面入り口の門の再現、それと面会の様子。人形がリアル。

受刑者への食事を試食しているシーン。 裁判のシーン。
受刑者への食事を試食しているシーンと、裁判のシーン。ここに入った時が一番驚いた。(^^; 本当に人が居るのかと思った人。

舎房の一部屋。寒そうです。 風呂場は病気予防のため欠かせない施設だったとか。
舎房の一部屋。寒そうです。風呂場は病気予防のため欠かせない施設だったとか。

 ここでポツポツと雨が降ってきた。この後、この先のオホーツク流氷館へ行きたかったのだけど、急遽道を戻る。途中、コンビニで買い出し。店を出ると雨は止んでいた。またいつ降りだすかわからないのだけど、まぁ、雨具も持っていることだし…と、そこからまた変更して網走刑務所へ行ってみた。

 門の前では受刑者らしき人達が花壇を作っていた。あんまりジロジロ見ては失礼かと思い、早々に門の前で一枚。カシャ。

網走刑務所正面です。(^^;
網走刑務所正面です。(^^;

 午前11時を過ぎたので、昼食と天気の様子を見るためにテントへ戻ることにする。そうしたら、テントに着いた途端にパラパラと雨が…。危ないところだった。(^^; とりあえずテントの中で昼食。本当は午後から能取湖と能取岬へ行ってみたかったのだけど、断念することになりそうだ。まぁ、明日があるさ。

 帰ってきて気づいた。なんとリアタイヤがつんつるてん。げー! 驚いて直ちにタイヤのローテーションをする。ちょうどその時、雨も時々パラパラと降る程度になった。なんてラッキー。これで今度リアが無くなったらスペアと交換しよう。この自転車を買ってから今日で3,500km位走っているから、まぁ、きっとこの旅行中はそれでなんとかなるはずだ。 小径ホイール車はタイヤが減るのが早いと聞いていたけど、確かに結構早いのね。まぁ考えてみただけでも26インチや27インチに比べてより多く回転しているわけだから、当たり前と言えば当たり前。とはいえ、普通に走れば3,000kmは走れるはず。十分かもしれないな。

 と、いうワケで今日はこれにて。明日も午前中は天気が悪いみたいだけど、なんだか回復は早いかも…。そんな予感。

本日移動による走行ではないため、走行データは無し。


1999年07月02日(Fri) 薄曇り のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 18日目 晴れたよ…。わはは。

 いつもの時間に起きる。雨が降っている気配はない。ふふ、晴れたな。と確信しつつテントから出ると、日は出ていなかったものの、期待通り晴れの気配。湖の向こうは青空。天気予報では午前中ところにより雨が降るかもしれないと言っている。でも大きく崩れることはないだろう。 すぐに、乾かない洗濯ものを干して朝食。

 さて、今日はどうしようか。昨日の屈辱(?)をはらすべく、能取湖、能取岬へでも行って、今日もう一泊しようか…。と考える。距離はそんなに無いはずだから、急いで出ることもない。とにかく日が差して道が乾いてくれるのを待つことにする。

 トイレにいくつか電源がとれるコンセントがある。(^^; う〜、充電したい。充電したひよほほ! でも、その間トイレで待っているわけにはいかないし、置いておいて、もしも盗られちゃったらシャレにならないし…。でもいい加減まとめてアップしたい。ここ、PHS使えるしなぁ。(;_;) そうだ、なにも充電しなくてもトイレでつなげたままページを作っちゃえ!(^^;

 …というワケで1時間ちょっと、トイレの中にこもりっきりで画像の処理とhtml化にいそしんだ人。 この間に、夫婦で来ていたライダーと別れを告げる。仲むつまじいカップルでした。道中お気をつけて。

 さて、11時。早めのお昼にして、午後から能取岬だ。 程々の荷物を自転車に積んで、スタート!

すっかりと晴れ上がった。
すっかりと晴れ上がった。

 国道から逸れるとすぐに海岸線に出る。二つ岩とかいう岩が見える。しかし、道はここからいきなりアップダウンの山道に。うひゃ、身軽で来てよかった。実は、もう少し時間が早ければ、荷物を畳んで能取岬経由で次の目的地へ行っても良かったかな…なんて考えていたのだ。ちょっと…というか、かなりホッとする。

たぶん、これが二つ岩。
たぶん、これが二つ岩。

 道は依然調子の変わらないまま、岬へ逸れる道へとたどりついた。いきなり下っている。行きはいいけど帰りが怖いという奴だ。しかし、ここから先は想像もつかない絶景が待っていたのだ!(じゃじゃ〜ん)

説明 説明
岬へ下る道と、岬からの景色。

もうたまらんでしょ? もう一枚たまらん画像を。
もうたまらんでしょ? この画像サイズだとほとんど伝わってないかもしれませんが…。

 北海道へ来てからずっと思っていたのだけど、こっちの空は本当に青い。誰かさんは「東京には空が無い」とかなんとか言ったそうだけど、これと比べると本当に東京には空が無い。 そんなことを思いながら、ひたすらシャッターを切り続ける。すると、何と言うことか、EOSの電池が切れてしまった。えー! まだフィルム2本撮ってないのに! EOSは電池食いだという噂は本当だった? ええい、しょうがない、後はPowerShotに任せよう。(;_;)

 (しかし実はこれ、単にバッテリーの接触が悪かっただけのようです。後になって気づきました)

 そうそう、デジタルカメラであるこのPowerShot A5、レポートでは「撮影できて30数枚」と書いたけれど、今回、しっかりと100枚の撮影ができてます。電源は専用充電池です。どうもこれ、癖とコツがあって、癖は「バッテリー警告はかなり早めに出る」のと、コツは「バッテリーを休めながら使う」ことなのです。つまり、警告が出ても、シャットダウンするまでは無視、警告が出ている間は休めつつ使うと全然平気…なのですね。なものだから、今のところかなり頼りになるアイテムになってます。(^^)!!

 さて、撮るものも撮ったし、景色も堪能したので引き上げることにする。ところがいきなりここから未舗装路。ええ? 聞いてないよ! と思いつつも、進まなくちゃ帰れない。ということでおそるおそる進む。ここから10km近く、舗装路、未舗装路の連続。疲れるったらありゃしない。(;_;)

 途中のコンビにでビールと夕食と、ビールを冷やしておくための氷を買う。テントに到着したらすぐにビールを冷やし、温泉へ行く。ここも3回目だ。 その後はのんびりと湖畔でビールを片手に、沈み行く夕日…ってまだ全然沈む気配無し。ちなみに午後4時。当たり前か。日差しはまだまだ強くて、表に出ていると肌が焼けるのがわかるくらい。でも、なんていうんですか、こうして夕暮れ時に湖畔(とか、山とか、要するに表)で酒を飲む…。この頃は普通になっちゃっている事だけど、よく考えたらこれ、凄いよね、いいよね、たまんないよね〜! ああ〜、たまらん!

 十分に自然と幸せとアルコールを堪能して、今日も一日無事に終わりました。 ここ、網走もすでに3泊。いやぁ、ここはいいところですよ。出来るならもっと居たいくらい。 昼間、ピクニック目的で来てもいいかもしれません。「呼人浦キャンプ場」、オススメです。

 適当に夕飯を食って、就寝。明日は国道238号線を走って湧別町予定。ではお休みなさい。

走行距離 36.9km
実走行時間 2h00m
平均速度 18.3km/h
最高速度 49.9km/h
積算距離 1171.5km


1999年07月03日(Sat) 曇り edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 19日目 なんにも無かった一日。

 朝…。

 薄曇り。雨の気配は無いみたいだけど、念のために天気予報で確認…している間にわずかに霧雨が…。ががーん。また雨かーっ!(怒) しかし、降水確率そのものは低く、10%で、午後から回復するという話。よし、ということで、出発することにしよう。

 さらば網走。ここはいい町だった。惜しみつつ、進路は国道238号線をひたすら、ただひたすら走るだけ。
 途中、サイクリングロードがちらりと見える。そういえば、入り口があったような、なかったような…。どこまで続いてるんだろう…。入ってみたいけど、変なところへ行っちゃったらシャレにならないからな。ということで狭い路肩の国道を走る。

 10kmほど行くと、まだサイクリングロードがある。ここでタイミングよくルートマップを発見。それによるとずっと国道沿いに進んでいるらしい。なんだ、じゃこっちのほうがいいじゃないか。そそくさと入る。快適。しばらく進むと、廃駅らしきものがある。うぉ、この道ってもしかして元線路なのか? これもリサイクルって奴ですかね。

 ルートマップによると、道はサロマ湖の方まで続いているように書いてあったが、どうもまだ全部出来ていない様子。いや、単に自分の勘違いかもしれないけど、とにかくサロマ湖へ行かないうちにまた国道へ戻る。

 サロマ湖を囲うようにして走る国道238号線は、地図上では景観が良さそうに見えるけど、実際にはなんにも見えない。(;_;) こうして今日もまた暇な道をひた走るのであった。

 途中、早々に夕飯の買い出し。実はバッグには2食以上の食料があるのだけど、もう食うことしか楽しみが無いので、何かしら買い込んでしまう。

 途中、パーキングエリアで休憩がてら昼食。先ほどコンビニで買ったパンを食べる。ここにはちょっとしたお店もあって、ここでホタテ焼きを食べてみた。150円。まぁ、味は東京のと変わらないな。というか、貝類はあまり好きじゃないのだったりする。(^^;

 再び走り出す。下半身だけは機械的にペダルを踏む。今回は難所もないので気楽だ。午後2時、湧別町を通過する。道は242号線と交わるが、このまま238号線を進む。このまま進むと右手にシブノツナイ湖が見えてくる。今日の宿はもうすぐだ。

「コムケ国際キャンプ場」 ここが今日の宿。コムケ湖とシブノツナイ湖の間にあるキャンプ場だ。紋別空港が近くにある。

紋別空港です。
紋別空港です。

 テントを設営し、いつでも炊けるよう、すぐさま米をとぐ。その後コインシャワーで体を洗い、しばしテントの中で、ウイスキーを片手に、平和な一時を楽しむ。今日はちょっと予定外に走り過ぎてしまった。実はもっと手前のキャンプ場にするはずだったのだけど、気がついたら思いっきり通り過ぎてしまっていたのだ。だからといって戻るのは面白くない。ということでここになった。

 でも、ここも悪くない。お金取るけど200円だし。シャワーはあるし、コインランドリーもある。でもシャワーは湯量が全然少ないので、あまり洗った気にならない。まぁ、5分100円だからこんなものなのかな。でも厚岸のキャンプ場は310円と高かったけど時間制限無かったし、ここより綺麗だった。んで、ランドリーは400円。高い。今までで一番高い。天気も曇っているから乾かないだろう。ということで洗濯は無し。

 なんだ、あんまり良くないじゃないか。(爆) いや、贅沢を言ってはいけない。テントを立てて眠れるだけでも十分なのだから。

 でもなんだかこの生活、癖になりそう。(笑)

今日の宿。
今日の宿。

走行距離 93.4km
実走行時間 5h35m
平均速度 16.7km/h
最高速度 47.5km/h
積算距離 1264.9km


1999年07月04日(Sun) 霧 ときどき 雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 20日目 最悪の一日。

 20日目ですよ。自分で言うのもなんだけど、凄いねぇ。なんだかすでに自分の部屋の間取りすら記憶から遠ざかっているような感じがする。

 しかし、20日目にはふさわしくなく、夜中からまた雨が降ってきた。予報では午前中天気が悪いらしい。このキャンプ場は10時には撤収しないと料金追加になってしまうため、そのあたりを目処に移動か滞在かを決めることにした。とにかく、曇っていようが雨さえ止んでいればテントは片づけられるのだから。!!

 朝食も済んだ頃、霧雨だった雨は止んでいる。行くか。どうも気は進まなかったけど、降ってない以上は行くしかない。テントを畳み、8時20分スタート。

ちょっとかすんだコムケ湖。
ちょっとかすんだコムケ湖。

 走りだしてしばらくはよかった。しかしすぐに霧。しかも霧雨に近い。 紋別港を過ぎる。ここで休憩がてら買い出し。ここからが実はこの旅の最悪な一日のスタートとなるとは思いもしませんでしたよ、ええ。(;_;)

 ここからいきなり雨。ぎゃー! 聞いてないぞ! おかしいなぁ、天気予報じゃここまでは崩れないって言ってたと思うんだけど…。と、誰を責めるわけでも無く口にする。ここまで降るとは思っていなかったから、雨対策もしてなかった。すぐに荷物にビニールシートをかける。

 しかも今度は向かい風。全然速度が上がらない。時速12km/hがいいところ。さらに路側帯は無い。それぞれの最悪が全部重なったようだ。ああ、今日は出発しないでコムケ湖でゆっくりしていれば良かった…などと、後悔しても始まらない。いずれにしても今日の予定は短めだから、頑張るしかない。

 …1時間くらい過ぎただろうか…。そう思って時計を見る。でも現実はたったの10分。これが現実である。雨と風と道の悪さ、通り過ぎる車の風圧、視界の悪さ、これまでにない悪条件がすべて重なってる感じ。泣いていいっすか? 泣きますよ、自分。ええもうハッキリ言って泣き入ってました。「これからは、天気が回復する限り移動するもんか」「もう二度と自転車で北海道へなんか来るもんか」…泣き言のオンパレード。

 今日の予定は60kmちょっと。ふだんなら楽勝の距離。しかし、今日だけは最悪だ。気持ちが滅入っているせいか、平地に出ても速度が上がらない。買った昼飯は食えないので力も落ちてくる。どんどん深みにはまっていく自分。しょうがない、とりあえず食うか。

 雨の中、手に取ったパンが瞬時に雨でぐじゅぐじゅになっていくのを見つつ、無理矢理ほおばる。くぁーっ、情けないなぁ。

 しかし現金なもので、食ってしまえば気持ちも変わってくる。しょーがねぇ、もうちっと走るか! となってくる。

 さっきまで落ち込んでいた気持ちはずいぶんと影を潜めた。やっぱ、人間食わなきゃ! 時計はすでに12時を越えている。腹も減るはずだ。おかげでここから先、この逆境をずいぶんと楽しんでしまった。

 荷物さえ濡れなければいいわけだし、自分がずぶ濡れになったってノープロブレム! 今日は近くに温泉があるんですよ。へへへ。寒さを堪えつつ、温泉のことだけを考えてひたすら走る。

 目的地まであと4km。もうすぐ、もうすぐ。頭の中は温泉とビールと飯のことでいっぱい。もう無心。

「日の出岬キャンプ場」

 ここが今日の宿。目の前にはオホーツクが広がり、景色的には根室のキャンプ場に近い。200mほどの所に温泉(実はホテル)がある。 ここは一泊400円と、ちょっと高め。あまり長居はしたくないが、この天気じゃどうなることやら。とにかく、天気が回復するまでここに居ることにした。

日の出岬キャンプ場。
日の出岬キャンプ場。

 いつものようにテントを設営、先に米をといで、自転車を洗った。さすがに泥だらけだ。すまんね。もう少し、頑張ってね。

 温泉へ行く。その途中で、女性のランドナー集団に出会った。驚き。お互い手を振って挨拶。ひゃー、初めて見る光景だ。みんなバシッと決めている。こんな天気じゃなかったら、もっとお互いいい顔をしていただろうにね。(お互いに結構辛そうな表情だった)

 温泉。ホテルの温泉だけに施設は最高。500円だからこれくらいはあってもいいか。のんびりつかって、足のセルフマッサージもして、後は天気の回復を待つだけだ。 風呂上がりにビールを買ってテントの中で一気飲み。寒いのでイマイチだな。

 そう、それにしてもここは寒い。今までに無いくらい寒い。寒さを堪えて洗濯したら、もう耐えられないくらい寒くなってきた。着るものはそんなに持ってきていないので、シュラフにくるまってなんとか耐える。今夜、この寒さで眠れるのかな…。ちょっと不安。もう7月だってのに、なんなんだこれは。

キャンプ場前の海岸。
キャンプ場前の海岸。

 天気予報では、明日も午前中はこんな感じらしい。連泊は決定的。明後日は晴れるということなので、移動は明後日からにしようと心に誓うのでありました。

走行距離 56.8km
実走行時間 4h00m
平均速度 14.1km/h
最高速度 35.3km/h
積算距離 1321.7km


1999年07月05日(Mon) 曇り 霧雨 午後から 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 21日目 ぜ〜ったい、動いてやるもんか!

 夢を見ていた。とても懐かしい夢を。そしてまた、とても楽しい夢だった。 しかし目覚めてみれば、自分はテントの中。ハッと驚いたりする。そして瞬時に「あ、ああ、そうだ、北海道に来ていたんだっけ」と改めて悟ったりする。

 午前5時。 外。予報通り、回復はしていない。今日は午前中はダメなのだそうだ。なんにせよ、今日は連泊決定だな。こんな霧雨の中、走ったりするものか。というか、なんだかこの頃足の疲れが取れない気がする。網走で3泊して休養したにもかかわらず、あんまり回復していない。でも、第一目標の稚内、礼文まではもうすぐだ。なんとかするしかないなぁ。

 午前9時、連泊の手続きを取る。今日は移動しないんですか? と聞かれてしまうけど、「ここは景色がいいですからねぇ」とか、適当にごまかす。

 自分の近くにテントを張っていた人が自転車だったことに気づいて話しかける。なんとこの人、長野から日本海側を通ってずっと自転車で旅をしているらしい。1年の予定で、もう2カ月が過ぎているとか。目標は日本一周なのだそうだ。それも驚いたけど、この人、この旅で久しぶりに自転車に乗るらしい。それまでは高校の通学で乗っていた程度で、別段鍛えているわけでもないとか。すごい度胸と言うかなんというか。コツを聞いたら「一日50km程度にとどめる」ことなのだそうだ。時間をかけて、自分の体力に合わせて移動することが大切らしい。なるほど。それを聞いて、なんだか最近自分の中に焦りがあったことに気づいた。まぁいいじゃない、のんびり行きましょう。そう思い、とりあえず乾かない洗濯物を表に干すことにした。

 近場で観光できるところが無いか探してみる。でも近くには無いようだ。ちぇ。 しょうがないので、ここでいきなり温泉へ行くことにする。(^^; 足のだるさを取るにはこれしかあるまい! 温泉は11時からだから、帰ってきたら昼飯にしよう。(^^)

 温泉は、ほとんど老人ばかりであった。(^^; 月曜日のこんな時間から温泉に入っているとしたらまぁこんなものでしょう。昨日よりものんびり入って、露天にも行ってみる。

 帰りにロビーの土産物売り場で、ズワイガニラーメン、さんま蒲焼き缶詰、カニスープ、松茸ふりかけなんかを買ってみる。また食い物を買ってる奴。(^^; これで一週間はここに居られるぞ。(笑)

 昼食後は自転車のメンテナンス、ディレイラー周りの汚れが結構ひどくなってきた。ついでにタイヤの空気圧チェック。タイヤの減りはまだもう少しなんとかなりそう。チェーンは、所々錆が発生している。大丈夫かな。切れたらお終いだけど、有名なシマノだから、その時はどこかで手に入ることを祈ろう。

 ちょっと昼寝などをして、午後6時夕食。この頃になるとまた人も増えている。昼間自分だけだったテントは2張り増えた。バンガローも3組程が入っている。 そう、先ほどちょっと日が照った。明日は日の出が見られるかな? ここは日の出岬という位なので、晴れていればとても美しい日の出が見られるそうだ。ま、あんまり期待はしてないけどね。それにその時間はきっと寝てるし。(^^;

 と、いうことで午後8時に就寝…しようとするも、昼寝が効いたのか、全然眠れず。11時近くまで起きていたと思う。昨晩の夢の続きが見られないものかなぁ。

 本日未走行のため、走行データ無し。


1999年07月06日(Tue) 曇り ときどき 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 22日目 追い風は偉大だ!

 眠い…。

 昨晩、眠るのが遅くなってしまったせいか、眠い。それでもなんとかシュラフから這い出る。外は完璧に曇っている。なんだか、また降りそうだけど、予報では大丈夫なので出発のつもりで準備をする。

 コンロ。買ったときからそうなんだけど、なぜかよく失火する。風が無いところでもそうなのだから、これはコンロに原因があるに違いない。消えたときはガスもカットされてしまっていて、その時は一度コンロとボンベを切り離し、再び接続すると使えるようになる。 何が困るって、飯を炊いているときにこれが起こるとパニックなのだ。でも、防ぎようが無いので、飯が出来るまではひたすら目の前で火が消えていないか見ていないとならない。まぁ、消えなくても火を使っているときは離れないけど…。 どこかにアウトドアショップでも無いものかなぁ。ガスもそろそろ無くなるし…。

 すべて片付け、7時50分出発。今日は距離が短い。気が楽だ。 再び238号線を北上する。今日はなんだか調子がいいぞ。すいすい走れる。なんだろう、温泉が効いたのかな? といろいろ考えていると、単に風が追い風なことに気づく。ああ、なんだ、そうか。しかし、こんなチャンスは滅多に無いぞ。ということで風に任せてガシガシペダルを踏む。速い。そのくせ、踏んでいるペダルは軽い。無理をすること無く高速を維持できる。はぅ〜楽だ〜。

 ずっとこの調子で枝幸町へ。このペースだと、今日のお昼はキャンプ場で食べられるな…ということで、お昼の買い出しは普通の弁当にした。いつもは走りながらでも食べられるような、おにぎりとか菓子パンとかなんだけど、たまには落ち着いて食べたい。

 あっという間。まさにあっという間に岡島港到着。速い、速すぎる。そして今日の宿、「はまなす交流広場キャンプ場」へ入る。が、誰も居ない。いや、ここは管理者不在のキャンプ場なので、キャンパーが居なければ誰も居ないのは当たり前なのだけど…。気味が悪いくらいにひっそりとしている。なんかイヤな感じ。でもまぁこれより先には70kmくらい行かないと次のキャンプ場が無い(この時は勘違いしていて、すぐ10km程先にももう一つキャンプ場があることを忘れていた)から、今日はここにするしか無いよな。

 ということでテントを設営。時間は11時半。まだこんな時間だ。とりあえず弁当を食べる。

誰も居ないキャンプ場。
誰も居ないキャンプ場。

 キャンプ場ガイドを見ると、この先3kmに入浴施設があると書いてある。ちと早いけど、風呂に行こうか。と、風呂道具を持って自転車で走り出す。3kmとあるから、サイクルメーターを見つつ走る。でも、3km進んだ時点では何もなかった。少なくとも、目で見える先には何もない。ガイドの誤記か。これ以上は進みたくなかったので、仕方なく戻ることにする。

 キャンプ場には自分一人しか居ないし、また炊事場でいつもの方法で髪を洗うことにした。ついでに洗濯。足の火傷も治りかけてきたのか、皮がむけてきた。今は清潔にしておきたいので足も洗う。

 ちょうどこの頃日が照ってきた。おー、洗濯物もよく乾くぞ、こりゃ。とはいえ、やっぱり風は冷たい。表に居ると次第に寒くなってくる。日は照っているのでテントの中は非常に暖かい。しばらく無かったこの暖かさ。しばしテントの中に逃げ込むことにする。

 ここは、オートキャンプも出来るように、車が奥まで入れるようになっている。その、各駐車区画1カ所ずつに何やら白い物体が立っている。「なんだ?これ」そう思ってよくよく調べてみると、なんとオートキャンプ用の電源であることがわかった。

 バッ、バッ、VAIOの充電っ! そう思ってACアダプタをさそうとするも、上手く入らない。うがー! 電源は目の前にあるのにっ! どうやってもダメなので諦めた。くそう。(;_;) 普通の形状のコンセントなら入るんだけど、そんなの持ってないし、手前数キロには延長電源コードなんて売っていそうな店は無かったし、あああダメだ。諦めるしかないか。この先、礼文入りするまでは電源は絶望的である。ここで何としても充電しておきたかったのだけど…。(;_;)

これが例の白い物体。この中にコンセントがある。
これが例の白い物体。この中にコンセントがある。

 夕食。コンロのガスが心許ないのと、炊事場がちょっと遠くて、ここがまた吹きさらしで寒いため、隣接された「道の駅」で食べることにした。まともな所で食事をするのは厚岸以来だ。

 5時半に行ってみると、なんとすでに終了している。そうかもしれないな…と思って行ったので、別段何とも思わず、そのまま引き返してやはり飯を炊くことにした。

「ええい、ガスが無くなったらそれまでのことよ! 死ぬわけじゃあるまい!」

 人間、開き直りが大切だ。(笑) 今回は試しに、先日買った松茸ふりかけを炊く前に米に混ぜて炊き込んでみた。果たしてどうなるだろうか。わくわく。炊けているときはめっちゃいい香りがする。(^^) おお、松茸の香りって奴っすかね。(松茸の香りなんて実は知らない) なんか期待できそう。

 炊けた。食べる。ちと味が薄かったな。でもまぁいいかも。

 さて、明日は猿払方面だ。宗谷、稚内まであと2日! 頑張ろう。

最高の夕日。
最高の夕日。

走行距離 63.5km
実走行時間 3h4m
平均速度 20.6km/h
最高速度 46.9km/h
積算距離 1385.2km


1999年07月07日(Wed) 曇り のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 23日目 七夕だ…。

 今日は七夕だとか。もうそんなこと気にするような年じゃないんだけど、なにせこっちは星がきれいだという話(でも実際、夜に晴れて星が見えた試しは今のところ無い。ていうか、ほとんど寝てたし^^;)なので、今日こそはカラッと晴れて欲しいものだけど…。

 でも今朝はいきなり霧。どうなってんだい。道東はもう過ぎたはずなのに。なんて、この辺じゃまだダメなのかな。天気予報では午後から回復(って、最近の予報はそればっかりだ)ということなので、とにかく霧が晴れるのを期待することにする。 昨日はきれいな夕日が見られたから、朝日も期待していたんだけどなぁ。(;_;)!!

 とりあえず軽く食べて、いつでも出られるように荷物だけはまとめる。でも、なんだかじっとしているのもつまらない。テントはちょっと濡れているけどびたびたじゃない。いいか、畳んじゃえ!

 8時にキャンプ場を出る。霧が深くなってもいいように荷物にはすべてビニールをかぶせてあるし、まぁ、この間みたいになってもいいやという覚悟で走り出す。 でも目の前にある道の駅でいきなり休憩。(^^; というか、霧の動向をみるため30分ほどベンチに座ってじっとしていた。

 8時40分、事態は変わらないようなので走り始める。ところが、霧は上やら先やら右やら左やらにあるのだけど、視界はいい。変な現象だ。おかげで全然、どこも濡れない。風は相変わらず追い風だから、いいペースで進める。

 こんな感じの中をしばらく進むと、昨日行きたかった温泉があった。メーターを見ると8km以上走っている。ガイドブック、誤記も甚だしいな。3kmと8kmじゃ全然違うぞ。少なくとも自転車の私には。(^^;

 オホーツク街道を、順調に走る。すれ違うライダー達との挨拶も、今じゃ楽しみの一つにもなった。みんなしっかりと返してくれる。今日は珍しく車からも手を振ってくれた。 ここでやっとホームセンター発見。ラッキー! ガスボンベ買わなくちゃ! でも230gのしか売ってなかった。ちょっと割高になるけどしょうがないか。3つ購入。計量カップも買ってみる。今まで飯を炊くのに水なんか目分量だったからな。あと、空気まくら。これまで枕は輪行袋で代用していたんだけど、これが結構固くてよく目が覚めたりしていた。これでどうなるかな? あと、小さなテフロン加工の鍋なんか無いかなぁと探したんだけど、いいのが無かった。それがあれば飯も焦がさずに炊けるんだけどなぁ。

 問牧のあたりから徐々に明るくなってくる。晴れているんだけれど、霧が邪魔をしている…そんな感じの天気。たぶん、霧の上は晴れているんだろう。 神威岬という所に着いた。名前がいいね、神威。かむい。うん、いいよ。そう思いつつ岬の展望台へたどりつこうかという時に突然霧が晴れた。ひゃ〜、いい感じだ〜。道の先の方を見ると晴れそうな予感。荷物にかけていたビニールを全部取り払う。

左側は晴れているのに、右側は霧がかかってます。 神威岬の景色
左:左側は晴れているのに、右側は霧がかかってます。右:神威岬の景色

 案の定、ここから先は大快晴! 気持ちいい〜! そしてクッチャロ湖に到着。晴れまくりだ! しばらくここで休憩。旅行ツアーのおじさん達に、わらわらと群がられてまた質問の嵐。この自転車、本当に人を呼ぶなぁ。(^^;

クッチャロ湖です。屈斜路湖じゃありません。
クッチャロ湖です。屈斜路湖じゃありません。

 さぁ、後は30km弱、風もいいから1時間半くらいで行けるかな? そう思った矢先、大きめの石ころをふんずけて初のパンク。なんてこったい! 感じからして、リム打ちっぽかったなー。速攻でチューブを外して確認。穴が二つ。やっぱりリム打ちパンクだ。(;_;) とにかく、スペアチューブと交換して、20分後に再スタート。パンクなどトラブルのうちに入らん!(^^;

 ポロ沼という沼にさしかかった。なんだか水面から水蒸気のような、霧のようなのが立ちこめている。なんだこれ。これはその先の猿骨沼でも見られた。温泉でも湧いてるのかな?(^^;

わかりますかね、湖面から水蒸気みたいのが立ちこめてます。
わかりますかね、湖面から水蒸気みたいのが立ちこめてます。

 ということで、やっと今日の宿、「さるふつ公園キャンプ場」に到着。でも、キャンプ場の施設が見当たらない。近くの人に聞くと、すぐそこの「道の駅」で聞くとわかるという。行ってみる。

「あの、キャンプ場ってここでいいんでしょうか?」
「あ、えーと、そうなんですかど、まだオープンしてないんです」
「え?」
「あ、でも、使えますからご自由にどうぞ」

 通されたところは何もない吹きさらしの大地。すげぇ、ここにテントを張れってか。(^^; 驚きつつも、とにかく水場に近いところに設営する。水場も、屋根があったらしいのだが、風で飛ばされてしまってシンクだけがぽつねんとある。まだ施設そのものが全然整っていない状態らしい。ははは…。(力のない笑い)

 だたものじゃない!(^^;

 まぁいいけど。 すぐに米をといで、風呂の準備。ここは温泉が隣接しているのだ。(^^) 中はちょっと狭いけど350円と安い。しばしの極楽を味わい、風呂上がりに休憩所でビールをあおってテントに戻った。

吹きさらしのキャンプ場。
吹きさらしのキャンプ場。

 先ほどのパンクのチューブを補修して夕食。このだだっ広いところに、もう一人ライダーが来た。彼もきっと面食らっていることだろう。(^^; はっはっはっ、これも旅。

 午後7時近くなって、一人のサイクリストが近づいてきた。よーく見ると、なんと羅臼に居た日本一周をしているという彼じゃないか。

「どもー、またお会いできるとは思いませんでしたー」「な、なんでこんなところに?」

 そう、私はもうてっきり彼は礼文入りしていると思っていたのだ。しかしよく考えてみれば、今日までのあの天気、お互い似たような足止めを食っていてもおかしくはない。二人とも基本的には時間は無制限だから、無理して進むこともないわけで…。

 彼はテントも設営しないまま、近くのレストランへ駆け込んでいった。 その後すぐにこちらは就寝。

夕日は綺麗です。
夕日は綺麗です。

走行距離 77.2km
実走行時間 3h57m
平均速度 19.5km/h
最高速度 38.6km/h
積算距離 1462.4km


1999年07月08日(Thu) 曇り ときどき 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 24日目 宗谷だそうや。

 北海道を旅するものにとっては、旅の原則である「早発ち早着き」は通用しない。朝は必ずと言っていいほど霧にやられるからだ。そして今朝も…。ちなみに今日の予報は晴れ。これのどこが晴れだと言いたいけど、これもまたやっぱり午前9時〜10時を過ぎた頃から晴れ出してくるんだろう。

 思えば、朝から晴れていたことって5日も無かったような気がする。一日中霧か、午前中霧、そんなパターンばかりだ。とはいえ、いずれにしても待つしかないんだよなぁ。今日は念願の宗谷だから、とにかく晴れてほしい。

 というワケで、そそくさと準備をして午前8時に出発。昨日の彼は道の駅のスタンプをどうしても押したいというコトで、私より45分遅れで出発するというので、一足先に出た。

 今日も追い風。楽。

 国道238号線は不思議な道だ。北上しているときなら、右は青々とした海が広がっているのに、左には広大なる原野。そして時折見える朽ち果てた廃屋。左は寂しい。とにかく寂しい。これで雪など降ったらもっと寂しくなるんだろう。

 車の量も少ない。耳に入るのは自転車のロードノイズ、風の音、鳥の鳴き声。それだけだ。地球上に自分だけしか居なくなったような、そんな錯覚さえ覚える。

 宗谷まであと10km足らずのところに来た。ここからしばらく激しいアップダウンが続く。でももう気にもならない。やはり知床は偉大だ。あれ以上の坂を持って来んかい! と(心の中で)叫びつつ、ペダルをぎりぎりと降み続ける。もう少しでてっぺん! というところで一人のサイクリストが写真を撮っていた。

「こんにちはー!」
「あー、こんにちはー!」
「キツイっす!(^^;」
「もう少しだよー」

 そんな会話を交わし、彼は私が上ってきた坂を一気に下っていった。

 上り切る。そして、下る。上り坂は向かい風よりもいい。坂はいつか頂上が来て、そこから下っていく。でも、向かい風は自分が向きを変えるか、風向きが変わらない限り、ずっと風を受けて走らないとならない。ペダルを止めれば一気に速度は落ちる。気持ちとしては上り坂と変わらないけど、精神的にはきつい。それまで向かい風だったのが、いきなり追い風になることなどそう滅多に無い。地図を見て、今日はずっと一直線の道を走らないとならないコトに気づくとき、一気に脱力感を覚える。しかし、この所はずっと追い風だ。気分は楽だし、距離は進むし、ありがたい。

 閑話休題。

 道は下りに入った。目の前に景色が広がる。海、山、道、すべてが視界にわっと入る。有無も言わさぬ速度で一気に下る。この瞬間は好きだ。

これから下ります。小さくてわかりにくいけど、凄い景色でした。
これから下ります。小さくてわかりにくいけど、凄い景色でした。

 そして下り切って、道はまた平坦に戻る。今までの上りも下りも嘘だったかのような平穏が続く。宗谷まであと4km足らず。

そして平和な道へ…。
そして平和な道へ…。

 左カーブをゆっくりと抜けると、「宗谷岬」と書かれた看板に出会った。着いた。最北端、宗谷岬だ。千歳からここまで、24日。北海道をほぼ半周した。

 駐車場に自転車を停め、その場にへたり込む。日々の疲労が思い出される。直後にじわーっと実感が湧き出てきた。「来たよ、とうとう来たんだ…」

 しばし休憩の後、写真などを撮ってみる。土産物屋などをうろつくが、たいしたものは無い。とりあえず十分堪能した。次は稚内だ。

宗谷岬の駐車場から土産物店など。 宗谷岬から海を臨む。
左:宗谷岬の駐車場から土産物店など。右:宗谷岬から海を臨む。

 しばらく調子よく進む。しかし、稚内湾を半周したところから風は向かい風になる。はぅ〜。まぁでもそんなに距離は無いし、頑張るべー!

 稚内駅到着。ここで礼文と利尻の観光パンフをいただく。そのままフェリー乗り場へ。時間を確認するためだ。

 乗り場に着いて、時間を見る。今日はあと一便あるな。でも、今日はタラバガニを買うという至上命令(別に命令じゃないけど)があるため、明日になるかな…と乗り場を出る。すると目の前に大きなシーフードセンターがあった。

 中に入るといきなり毛ガニ、タラバガニの生簀が…。じっと見る。大きいのも揃ってる。こっ、ここでもいいよな…。ということで、お店の人を呼び、大きい奴を一つ、実家へ送った。高かったぞ。いいホテルに一泊できるくらい。でもたまには豪勢に参りましょうや。両親もこの旅行ではずいぶんと心配をかけているしね。

 さて、用は済んでしまった。すでに稚内に泊まる理由はどこにもない。ならば行くか! 礼文へ!

これから乗り込みます。
これから乗り込みます。

 15時10分。礼文行きのフェリーが港を出た。周りはおじさんとおばさんのオンパレードだ。相変わらずぎゃーぎゃーうるさい。いいけどね。

しばしの間さようなら、稚内。
しばしの間さようなら、稚内。

 約2時間の旅。暇になるかと思ったらそうでもない。海はきれいだし、ウミネコは近寄ってくるし、利尻は見えてくるしでじっとしている暇もない。でも、利尻はちょっとかすんでいて、全てまでクッキリとはいかなかった。

船は進む…。
船は進む…。

かすむ利尻富士。
かすむ利尻富士。

 さぁ、そうこうしているうちに礼文が近づいてきた。……意外と大きい島だな。どんどん大きくなっていく。げぇぇ、でっけぇ!

 そう、よく考えたら全長でおよそ22km。自転車で1時間ちょっとじゃんかという計り方は大間違いだったのだ。22kmと言ったら、家から秋葉原まで行ってもまだまだ足りない距離だ。侮っていたぞ、礼文!

近づいてくる礼文島。
近づいてくる礼文島。

 礼文島到着。例の有名なユースの人が噂通り旗を振ってのお出迎え。でも私はユースは苦手なのだ。パス。港からおよそ19km北の、久種湖畔キャンプ場を目指す。

 まぁ、1時間もあれば着くだろう。そう思って礼文の町を走り出す。町並みは、走り出してしばらくは、よくある温泉街のように右に左に旅館や土産物屋が軒を連ねている。それが終わると、道は海岸線に出て、右手に利尻を眺めつつ、先ほど乗ってきたと思われるフェリーがその前を通過していく光景が見える。

 この道の景観そのものは、道内のそれとあまり変わりはない。右に海、左に切り立った崖。最北端の島なんていうようなイメージを抱えつつ上陸したものだから、ちょっと肩透かしを食らったような気持ち。何を期待していたんだか。

 天気はいい。ウェアはタイツは穿いているしジャージは長袖だったのだけど、とりあえずゴールも近いのでそのまま。なので暑い。目的地まであと5kmくらい…というところで坂道が…。これがまた、距離は短いものの、傾斜のすごさは摩周湖並み。ローギアでダンシングしてやっと、ゆ〜っくり上って行ける。ちょっとでも力を緩めると後ろへ引き戻されそうになる。

 やっと上り切る。目の前に眩しいほどの太陽が現れる。「気持ちはありがたいけど、暑いよ〜」 しばらく味わっていなかった、灼けるほどの日差し。ありがたいけど今は暑い。

現れる太陽。暑い〜。
現れる太陽。暑い〜。

 下る。すぐに左手に久種湖(くしゅこ)が見えてくる。あとちょっと。時間は午後6時を過ぎた。それから程なく、今日の宿にたどりついた。あの坂はキツかった。明日は南端まで行ってみようかと思っていたけど、どうしようかなとか悩み始める。(^^;

初めまして、久種湖。
初めまして、久種湖。

「久種湖畔キャンプ場」

今日の宿。
今日の宿。

 その名の通り、久種湖の目の前にあるキャンプ場だ。広さは並みといったところ。一泊フリーサイトで300円。ちと高め。いつもの通りにテント、米と準備を進める。その後、1km程離れた銭湯へ行く。温泉にあらず。残念。

 テントに戻り飯の支度をしていると、夜露が降りてきた。やだな、ここから霧になったりしないかな…と心配しつつ、午後10時に就寝…しようとするも、三方からけたたましいいびきの大合唱。

 そーゆー奴はバンガローへ行けっ!(^^;

 まったく眠れない。MDを聴くことにする。こうしてなんとか眠りについた。(時々起こされたけど)

走行距離 82.6km (道内63.5km、礼文島19.1km)実走行時間 4h25m
平均速度 18.6km/h
最高速度 56.6km/h
積算距離 1545.0km


1999年07月09日(Fri) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 25日目 礼文の魅力

 よく眠れないまま朝を迎えた。テントの外が明るい。「お?」 そう思って外に出てみると、すでに高い位置に太陽が鎮座している。おー! 晴れだー! 朝から太陽が出ていたのは何日ぶり? もう前回がいつだったかまったく思い出せない。

 今朝は、昨日買った菓子パンで済ませる。今日は出来るならページの更新、洗濯を午前中にしておきたい。というワケで管理人が来る午前7時、事務所へお願いに伺う。

「あの、バッテリーの充電をお願いしたいんですが…」
「ん? あ、いいよ」

 なんとあっさり。よく見ると、事務所のコンセントにはCDウォークマンやら携帯電話やらがつながりまくってる。(^^; う〜む、こういうコトも料金に入ってるのかな。とりあえず3時間くらいしたら取りに来ると言ってお願いした。これでページの更新も可能になるかどうか。なにせ大容量バッテリーをフルに充電したとしても、使えて3時間。その間にデジカメの大量の画像の中からアップするものを選び出してリサイズしないとならない。これが結構HDDによくアクセスするために、バッテリーを消費しまくる。そして、ページが出来たらftpしないとならない。これでまたさらに消費する。果たしてどうなるか。(^^; コンセントにつないだまま使わせてもらえないものかな。(^^;

 洗濯物があっという間に乾いた。こいつはいい、今着ているのも洗っちゃえ! と、TシャツやらGパンやらも洗濯してしまう。時間はまだ10時。昼には乾くだろう。それにしてもまだ10時か。なんだか時間の過ぎるのが遅く感じる。

 昨日到着してから気付いたのだけど、近くに展望台らしきモノがある。昼飯前に行ってみるか…と、カメラを持って歩いていってみる。おー、かなりよいー! 浜中あたりの湾の景色が見渡せる。はぅ〜、午後が楽しみだなぁ。

展望台、左側。 展望台右側。
左:展望台、左側。右:展望台右側。小さい画像で申し訳ないけど、きれいな景色でした。

展望台より久種湖を臨む。
展望台より久種湖を臨む。

 今日は昼から行動。軽く昼飯。礼文島の天気は、1,000m級の山と同じように急変するらしい。近場へ行くにしても雨具とか、ウインドブレーカーなどは必須。他、カメラやらとバッグにしまい込んで、ひとまずスコトン岬(変な名前。漢字で書くと「須古頓」)へ行ってみるコトにする。礼文でも一番北に位置する岬だ。距離はおよそ7km位。

 平和な道をヘロヘロと走る。なにもかもが美しい。途中、スコトン岬へ出られる道が二つにわかれている所へ出た。見た感じ、左へ行くと高台へ出るようだ。今日は身軽だから行くしかあるまい!

 上る。まぁまぁキツいけど、なにせ自転車が軽いからすいすい上る。中腹付近、ものすごい景色が広がる。

「す…すごい」

 しばし、体が固まる。数枚写真を撮ってからもっと上へ昇る。するとトド島を展望できる高台へ出た。

「がーん、さっきよりすごいー!」

 左手にトド島、スコトン岬、右手に浜中、船泊(ふなどまり)、金田ノ岬が一望出来る。しかもしかも恐ろしく、そう、恐ろしいほどに海がきれい。  無我夢中でシャッターを切りまくるものの、こんな写真など、何枚撮ったところで無意味だ。

 これほどまでに「景色」というものに心打たれたのは間違いなく初めてだ。礼文、す ごすぎる。もう、いくらここに言葉にしようとしても不可能なので割愛することにしよう。(^^;

1%でも伝わればそれでよし!(^^; 1%でも伝わればそれでよし!(^^;
1%でも伝わればそれでよし!(^^;

 その後、スコトン岬先端へ出る。ここにはすごいのがあるのだ。岬の先端に「最北端の民宿」がある。正直、見栄えはよくない。ので写真は撮ってないが、ここに泊まると結構自慢できるかもしれない。(^^;

スコトン岬です。先に見えるのがトド島ですね。
スコトン岬です。先に見えるのがトド島ですね。

 来た道を戻り、浜中から西上泊(にしうえどまり)、鉄府(てっぷ)へ寄ってみる。ここもなかなかに激しい上りが、短いけどある。でも、それだけのことをしてまで行ってもなーんにも見るものが無かった。残念。ここへは、ハイキングでもっと奥へ入らないとダメなのだそうだ。

 およそ3時間。十分過ぎるほど堪能して、テントへ戻ってきた。午後4時までボ〜ッとして、風呂へ行く。風呂上がりに、さらに先にある商店が連なっている道を探索しに行ってみると、食事処の窓に「ウニ丼」と書いてあるのを見つけて思い出した。

「あ、忘れてた! ウニ!」

 そう、今回礼文、利尻へ来た理由の一つにこれがあったんだ。景色に見とれてすっかり記憶から排除されてしまった。

 とりあえず中に入ってお品書きを見る。げ、ウニ丼3,000円! 高いなぁ。(;_;) でもせっかくだから…と注文。

 来た。食べる。

「うーまーいー!」

 ううう。(;_;) 美味い。これ以上、景色同様言葉になりません。3,000円? へっ安い安い。…と思ったかどうかは別だが、しばし至福の時を堪能しまくった。

 普段こんなの高くてまず食べないけど、でもやっぱり、美味いものはいいよねぇ。

 余韻を楽しみつつ、買った日本酒で前後不覚のまま就寝。

走行距離 23.9km
実走行時間 1h25m
平均速度 16.9km/h
最高速度 47.6km/h
積算距離 1568.9km


1999年07月10日(Sat) 曇り のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 26日目 利尻島へ。

 朝は霧だった。ひぃぃ、また霧だぁ。(^^; しかし予報では今日は晴れるらしい。でも、明日は昼ごろから雨になるという。今日ここに居ると、明日はここに釘付けになる。今日見回ろうと思っていた所は、港へ向かう道だから、荷物をまとめた状態でも十分可能だ。今日のうちに利尻へ向かった方がいいかもしれない。

 そういうコトで、午後2時半の、利尻島沓形(くつがた)行きのフェリーを目標に、荷物の片付けを始めた。

 片づけ終わったのが午前8時過ぎ。おっ、これだと11時のに間に合うな。つーコトでいきなり旅立つ。久種湖に近い峠はもう越えたくないので、海側の金田ノ岬経由で香深港へ行くことにした。

 とはいえ、まだ曇っているし、あんまり見栄えはしない。幌泊(ほろどまり)、高山、上泊(うえどまり)、などなどを通過して香深港へ到着。この時点で午前10時。余裕っち!

 チケットを買い、暇なので土産物屋に入る。いきなりおばちゃんに捕まって、ウニの話をいろいろとされる。こっちも結構ノリ気だったので、勢い余って1,900円のバフンウニの瓶詰を買ってしまった。(^^) 夜にご飯に乗せてウニ丼にしよう。ふふふ。

 船は出る。港からウルトラきれいな海を見つつ、船は利尻へ向かう。礼文はまだ霧がかかっていて、すぐに見えなくなった。礼文からフェリーで40分。寝ている暇もない。青く美しい海を見ているだけであっという間に利尻だ。

さようなら礼文島。
さようなら礼文島。

そして利尻だ。
そして利尻だ。

 思いっ切り晴れている。暑いー! 今日の宿は沓形港から徒歩10分の所にある、「利尻町森林公園キャンプ場」だ。

 到着するが、いきなり狭い。今さらガイドを見ると許容は10張りとある。なるほど、確かにそんなモンだ。

 管理棟へ行くが、管理人は草刈りらしい。とりあえず帰ってくるまでにテントを設営してしまった。時間は午後1時。昼はどこかですませたい。書き置きを残して出かけようとするとタイミング良く管理人が戻ってきた。バンガローにコンセントはあるかと聞くと、無いという話。それならバンガローに入る理由はない。ということでフリーテントサイトを3泊押さえた。どうせ明日、明後日はテントに缶詰だ。ここは一つどっかりと腰を据えていこうじゃないか。

 昼飯。すぐ近くに食事処があったのでそこに入って野菜ラーメンを食べる。美味い。名前からしてタンメンみたいなのを想像していたら、鶏の空揚げやら豚肉やらが入っていて大満足。

 その後、すぐに買い出し。しばらくテントから出られない覚悟でたっぷり買う。しかし、米と酒は悩んだ。米は最低でも5kgから、ウイスキーはミニボトルなんか無い。どちらも余らせると重くなるので、天候が回復してからの利尻島一周サイクリングの最中にコンビニらしき店があることを期待して、買うのを諦める。酒は無いのは我慢できるが、米が無いのは辛い。念のために食パンを買う。

 買ったものをテントに入れ、すぐさま温泉へ。島外の人間は500円。まぁ、温泉なんてどこもそんな値段だ。火傷をした羅臼の熊の湯はタダだったけど、その他はほとんど500円が基本みたい。風呂上がりに販売機でビールをかっ食らう。うめー!

 一気に酔いが周り、ヘロヘロでまたテントに戻り、洗濯。さっきまで勢い良く吹いていた風はすっかり凪いでいる。くそう。洗濯物が乾きにくいじゃないか。

 夕食。例のウニをご飯に乗せてみる。う〜む、やはり生ウニには負けるか。でもそれなりにイケル。何となく玉ねぎを一個買ってみた。これを適当に切って、コンソメスープで煮てみる。これが結構美味い。またやってみよう。卵とバターも買ったので、目玉焼き。バターは冷蔵出来ないので、溶けたらお終まいだ。(^^;

 さぁ、明日は午後から雨という予報。明後日は雨。この先利尻でどうなるんでしょうか。トホホ。

走行距離 38.0km(礼文島:24.5km、利尻島:13.5km)
実走行時間 2h29m
平均速度 15.3km/h
最高速度 37.7km/h
積算距離 1606.9km


1999年07月11日(Sun) 快晴 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 27日目 天気予報の嘘つき。

 午前4時半。ハイカーの早朝からのおしゃべりで目が覚める。聞くともなしに聞いていると、なにやら天気がいいらしい。むっくり起きて外を見てみると日が出ている。おお、なんだ、とりあえず午前中はいいみたいだな。そう思って、午前中のうちに島を一周することにする。急いで朝食。昨日の食パン、レトルトカレー、スクランブルエッグ、コーヒー。ああ、なんだかまともなメニュー。やっぱ、卵があると違うよなぁ。

 午前6時半、日は照りつけるものの、冷たい風がやや吹く中をスタートする。

 利尻島には、島を半周するサイクリングロードがある。ありがたい。しかもそれは自分が居るキャンプ場の近くを通っているので、すぐにサイクリングロードへ入る。

 車もないし快適。しばしサイクリングロードの絶景をお楽しみあれ。

サイクリングロードはこんな感じです。 サイクリングロードはこんな感じです。
サイクリングロードはこんな感じです。

利尻富士。 鴛泊港から出るフェリー。
利尻富士と、鴛泊港から出るフェリー。

どの辺で撮ったのか不明。 どの辺で撮ったのか不明。
えーと、もうどこで撮ったのか失念。(笑) でもいいっしょ?

 いろいろとまわって、ちょうど午後12時にキャンプ場へ到着。でも、そのままの姿で「大漁亭」という食事処へ行く。目的は、もちろんウニ丼!

説明
これが3,700円のウニ丼だっ!

 醤油がない。あれれ、どうなってんだ? と、お店の人に聞くと、すでにタレがかかっているのだそうだ。ほほぅ、やるな。ということで食べる。

 うーまーいー!

 味そのものは礼文のそれと変わらない感じではあるがどちらも超級なので甲乙付け難い。でも超級に美味しいことに違いはない。泣きながら食う。(;_;) ああ、もうダメだ、東京へ戻ったらもうウニは食えないかもしれないな。そう思う瞬間。

 東京で買えるウニの中には、とてもひどいモノが存在する。以前、我が家で買ってきて、あまりの不味さに父が怒って、買った店へ持って行って店長に食わせた所、やはりあまりの不味さに顔をしかめたという実話もあるくらいだ。それは輸入物だったらしいが、不味いウニというのは、腐った生ゴミを食っているのに等しいくらい不味い。イヤ、マジでホントに。

走行距離 63.1km
実走行時間 4h9m
平均速度 15.1km/h
最高速度 45.2km/h
積算距離 1670.0km


1999年07月12日(Mon) 晴れまくり edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 28日目 心の楽園、利尻島。

 今朝も早くからカラスの鳴き声と、隣のハイカーの早起きに起こされた。(午前3時だよ) しかし、無理矢理寝て、午前5時半に起きた。腹減ったし。

 今日はどうしよう。そんなことを考えつつ、朝飯を食っていると、目の前に見える礼文島がきれいに見えているのに気づいた。おー、今日は礼文もクッキリ見えるな。カメラを持って見晴らしのいいところで一枚撮ってみる。それを見ていた管理人のおっちゃんが窓から

「おぅ、ちょっと一服していかんか」

 と、声をかけてきたので管理棟に入れさせてもらった。一服…と言ってもお茶が出るわけじゃない。話し相手が欲しかったのだろう。やおら、おっちゃんはタバコをふかしながらあれこれと話し始めた。利尻岳のこと、自分のこと、家族のこと…。話は意外に(失礼)面白く、こちらも乗り気で聞いていた。

「そういえば、さっき写真を撮っていたが、野鳥でも撮るのか?」
「ええまぁ、撮るものを決めているわけじゃないですけど、気に留まればなんでも撮りますよ」

 このおっちゃんの前の管理人が、野鳥が好きな人らしく、今でもよくここへ来て写真を撮っていくのだそうだ。いろいろと写真を見せてもらい、そこからまた話が利尻島へと戻った。

 個人的な感想として率直に言えば、利尻は礼文よりも気に入った。上手く説明は出来ないのだけれど、なんというか、自分との相性がいいという感じ。まったく住み慣れていないはずなのに、やたらと落ち着くのだ。礼文を2泊で早くも出てしまったのは、実をいえばちょっぴり「落ち着かない」ところだったせいもある。もちろん、十分に景色は堪能したが…。

 そして、このキャンプ場(ベースは森林公園)の裏に散策の出来る道が出来ていることを教えてもらった。こちらも歩くことなんか考えてないから、そんな道があることすら気にしていなかったのだけど、よくよくあちこちを見てみるとしっかりとマップが立てられていたのだった。(^^; 面白そうだな。花とか鳥とか、普段あんまり見たりしないから行ってみようか。午前9時を回った頃、カメラを持って歩き出した。

 結果を先に言えば、花も鳥もほとんど見当たらなかった(鳥は多分撮影に成功)のだけど、のーんびり歩いて約1時間半。非常に面白いコースだった。デジカメはほとんど出番が無く、全部EOSで撮ったので、画像はこの旅が終わってから掲載することにしよう。

 午後。別段することも無いので何もせずにボーッとしていた。なんか、今までの旅で一番落ち着けているかもしれない。身体だけじゃなく、心からのんびりと出来る。一周わずか60kmちょっと。道は島の周りをぐるっと回っているくらいな物なので、どこへ行くにしたって近いものだし、そういう条件が「急いでもしょうがない」と心から思わせるのかも…。どこへも行けないからどこへも行かない。これが道内の広大な土地の中に居ると「ああ、あっちへ行かなきゃ、こっちへ行かなきゃ」と焦り出す。

 ……もうしばらく居てもいいかな…なんてコトを思い始める。でも、あんまり長く居ると本当にどこにも行かなくなりそうになっちゃうのが恐いよな。ここに住みつけるわけじゃないんだし。いや、でも隣の隣に居る人なんか、ここにもう2週間くらい居るらしい。何をするでもなく、昼間は裸でベンチに横になって本など読んでるし…。この人もきっとここの居心地の良さにそうとうやられているのだろう。

 とりあえず食うものも食ったので、沓形岬へ散歩に出たりする。ここにもキャンプ場があったりするのだけど、ここは目の前が海なので風が強い。岬の看板をバックに、自転車を撮ってみた。

 午後2時過ぎ。戻ってきてから自転車の手入れ。各部注油。その後、温泉へ行く。昨日同様、風呂上がりに休憩所でVAIOの充電がてら、これまでの日記を読み返してみたりする。出発前のあの緊張感とか今ごろになって思い出したりする。初心忘れるべからずっていうんですかね。関係ないか。(^^;

 バッテリー98%まで充電してテントに戻る。夕食。卵があるので、卵かけご飯と、豚肉の缶詰。うみゃー。

 蚊が出てきたのでテントに潜る。さて、予定としては明日は出発なのだけど、どうしよう…と迷う。なにしろここは居心地がいい。もう一日くらい居ても罰は当たるまい。それにほら、ここで食材とか買えば、島の収入にもなるし。(笑)

 ま、いいや、全ては明日の自分に聞いてみよう。(^^; おやすみなさい。

 本日、未走行のため、走行データ無し。


1999年07月13日(Tue) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 29日目 さようなら、利尻島。

 真夜中からずっと、カラスの大合唱で寝不足のまま朝を迎えた。都会の暴走族よりタチが悪いぞ。なにせ、午前1時〜2時位から朝までずーーーっと十羽以上と思われるカラスがギャーギャー鳴きまくるんだから。

 …耳栓が欲しい。(;_;)

 さて、今朝の心境。

「やはり今日、移動しよう」

 というコトで、目標は11時発の稚内行き。港は、礼文からきた沓形港じゃなく、12km程(島を約1/4周)進んだ鴛泊(おしどまり)港からじゃないと稚内へ戻れないので、最低でも10時にはここを出発しないとならない。そのつもりで片付けに入る。

 午前8時、全ての片付けが終わってしまったので、管理人さんに挨拶をして発つ。いや〜、それにしてもこのキャンプ場は良かった。管理人さんもいい人だし。一緒に写真など撮ってみたりする。そしてまたサイクリングロードに入り、鴛泊へ向かう。

 このサイクリングロードの途中に、カモメがたくさん群れている場所があるのだけど、そこで一羽のカモメが釣糸に引っかかって動けなくなっていた。時々見かけるこの釣糸、たぶん、私の想像でカラス避けで張ってあるものと思う(釣糸の光の反射に寄ってこない…という話をTVで見たことがあるので)のだけど、そいつにたまたまカモメが引っかかってしまったようだ。

 とりあえずほどこうと近寄る。やっぱりどえらい脅えようだ。下手をすればこっちがつつかれかねない。しょうがない、糸を切るしかない。見殺しには出来ない。ナイフを持って近づく、けたたましく鳴くカモメ。するとどうしたことか、それまで周りにとまっていた何百羽というカモメが一斉に飛び立ち、私の頭上で旋回を始めた。

「ひぃぃ、ヒッチコック(だっけ?)の映画じゃないっつーの!(^^;」

 正直言って、身の危険を感じた。大急ぎで釣糸を切り、一目散にその場を離れた。あー、恐かった。あのカモメにはまだ糸がちょっとくっついているのだけど、こちらがやれるだけのことはやったから、後は自分で残りを外しなさいね。(^^;

 午前9時過ぎ。鴛泊港到着。11時の便にはまだまだ時間があるので土産物屋なんかをうろうろ。買わないけどね。暇だけど、天気はいいし、時間を持て余すほどのコトでもないか。店先のベンチに座ってボケーッとする。最近、このボケーッとするのも得意技になってきたな。

 フェリー到着。さようなら利尻島。ここはこの旅の中でも最高に良かったよ。(^^) また、絶対に来るからね。

最後の利尻富士。
最後の利尻富士。

 再び稚内。宿をどうするか決めるため、観光協会へ行く。キャンプ場はどこにあるのかわかっているのだけど、そこは高台にあるため、出来るなら行きたくない。(^^; 温泉も最短で10km先だし、なにか他にいいところは無いかを訪ねるためだ。とはいえ、ホテルなんかは安くても5,000円からだし、たかだか素泊まりでそれだけ使うなら、ウニ丼を食ったほうがいい。(^^; ああ、今思えば釧路のホテル宿泊はもったいなかったな。(笑) とりあえず、ライダーハウスなんか無いかな…と聞いてみよう。

再び稚内へ。 港へ入る所。

稚内に到着。
再び稚内へ。

 その前に昼飯だ。近くの食事処へ入る。ラーメンでも食ってみるか…と、一番高い「海鮮ラーメン」なんてのを注文してみる。そうそう、一緒にウニの握りも二つ。

 来た。すげぇ。海老にホタテにワカメにカニだ。カニはタラバかな? かなり大きいぞ。まずはウニの握りから。……あ? もちろん、美味いんだけど、ダメだ、もう利尻、礼文のウニとは違う。(;_;) 美味さを知るのも考えものかもしれづ。でも、海鮮ラーメンはすごい。実は、北海道へきてカニを食べるのは初めてだったりする。(^^; あー、カニが美味いー!(;_;) ただ茹でるのと違って、ラーメンスープがしみ込んでいて、これがまた絶妙。はぅ〜、美味い〜。

海鮮ラーメンっすよ。
海鮮ラーメンっすよ。

 大満足しつつ、店を後にする。さて、宿を探そう。とりあえずライダーハウスだ。しばらく走って見つかったそこは、なんだか異様な雰囲気。ううっ、どうしてライダーハウスってこうなんだ。(^^; しばらく前で様子を伺っていたのだけど、あまりに雰囲気が異様なので諦めてしまった。

 一度でも入ってしまえば慣れてしまうのだろうけれど、どうにもねぇ。(^^; それに基本的に「相部屋」なので、見慣れぬ人の近くで寝るというのも落ち着かない。やはりテントか?

 いいやもう、やっぱり坂を上ってキャンプ場へ行こう。ということで、稚内森林公園へ向かって走る。

 案の定、恐ろしいほどの上りだ。開陽台の展望台への上りに近い傾斜。当然、ペダルを踏めるはずもなく、押しに入る。しかし、傾斜がキツい分、ちょっと上っただけであとは緩やかになった。あ〜、助かった。

「稚内森林公園キャンプ場」からの景観。
「稚内森林公園キャンプ場」からの景観。

 高台にあり、上ると港が一望できる。見晴らしは最高だ。さっそくテントを設営し、悩む。何をかというと、風呂だ。入浴施設はあるのだけど、ここから10kmもある。当然行きたくない。今日は風呂無しかな…と観光案内を見ていると、なんと「稚内市ポートサービスセンター」なるものにシャワーがあると書いてある。しかもここは目と鼻の先。ああ助かった、今日はここにしよう。

 シャワーを浴びてさっぱりしつつ、近くのコンビニでビールとか、ちょっと買い物をしてテントへ戻る。要するに、またあの坂を上る。しかし今度は身軽なので厳しいながらもずっとペダルを踏んだままで上り切る。でもまたこれで汗が。(^_^; シャワーも意味が無い。

 洗濯などをして、夕食。今日はまたチャレンジしてみる。名付けて「ラーメンリゾット」

レシピ(笑)

  1. 100cc程の米を用意する。
  2. 鍋にラーメンを作るよりもちょっと多めの水(普通に作って500ccなら、550cc程度)と米を入れ、沸騰させる。
  3. 3〜5分ほど煮立て、そこから通常通りにラーメンを作る。
  4. 出来上がり。

 ふむ。お粥ラーメンみたいな感じだな。(笑) 水気は全て米に吸われてしまってドロドロだ。でも悪くないや。鍋一つで出来るし、いいかもしんない。(^^;

 ということで夜。さぁ、明日は一日のんびりと稚内を観光してみよう。ということで、ガイドを見ているウチに寝てしまった。

走行距離 32.7km(利尻:16.6km 稚内:16.1km)
実走行時間 2h26m
平均速度 13.4km/h
最高速度 41.0km/h
積算距離 1702.7km


1999年07月14日(Wed) 霧 のち 晴れたり曇ったり edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 30日目 稚内観光。

 7月中旬とは言え、こっちの方は曇ったり霧がかかったりすると軒並み寒くなる。今朝も寒くて目が覚めたので、きっと曇っているんだなと表に出ると霧だった。

 ちくしょう、また霧かっ!(;_;) これで今日の予定も全てパーなのかっ? いや、いつものパターンだとまたすぐに晴れてくるはず…。とりあえず、いつも通りの時間まで待ってみることにする。というワケで、二度寝〜。

 午前9時。暑くて目が覚める。おっ、晴れたか? と外へ出るとやっぱり晴れていた。なんだかー。 すぐに支度をして出発。まずは森林公園内にある施設から…。

 ここには「氷雪の門」「九人の乙女の碑」「南極観測樺太犬記念碑」「樺太犬供養塔」などがある。

 ガイドブックから、ざっと説明してみよう。

「氷雪の門」
「氷雪の門」

 稚内公園のモニュメントの中でも代表的な存在なのがこの氷雪の門。樺太で亡くなった人々の慰霊と、異国となってしまった樺太への望郷の念をこめて昭和38年に建てられました。制作は北海道出身の彫刻家・本郷新氏によるもので、雪と氷の中でたくましく生き抜いた人を象徴するブロンズ像と、望郷の門、霊石で構成されています。門の向こうにはサハリンの島影を望むことができます。

「九人の乙女の碑」
「九人の乙女の碑」

 終戦直後の昭和20年8月20日、ソ連軍の侵攻の中にあった樺太。その緊迫した状況の中、最後まで交換業務の任務を果たし、自らの命を絶った樺太真岡郵便局の9人の若き女性交換手達を慰霊しています。屏風状の碑には亡くなった9人の名前、交換手姿の乙女の像を刻んだレリーフ、そして彼女たちの最後の言葉「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら……」の文が刻まれています。

南極観測樺太犬記念碑。 樺太犬供養塔。
「南極観測樺太犬記念碑」「樺太犬供養塔」

 昭和32年、日本が初めて南極観測に参加するにあたって、現地での物資輸送を目的に派遣されたのが20頭の樺太犬でした。厳寒の南極大陸でこの樺太犬たちは、調査のために大活躍をし多大な貢献をしました。ところが翌昭和33年、南極の悪天候を克服できずに樺太犬15頭が現地にやむなく置き去りにされるという悲劇が起こりました。そして、その1年後、再び越冬隊が南極を訪れたとき、樺太犬タロ・ジロの2頭が奇跡的に生き延びていたという感動的なニュースは、当時世界中に報道されました。この碑はその樺太犬の功績をたたえたもので、ブロンズ像はジロをモデルにしています。また稚内公園山頂には南極で亡くなった犬たちの慰霊碑、樺太犬供養塔が建っています。

 南極物語……だったかな? この樺太犬の物語を映画化したのは…。あの映画は良かった。また観たくなってきたな。まだ売ってるかな。

 そして稚内駅へ行って、何か情報が無いかを調べていると、JRの職員さんにまたもや自転車でいろいろと聞かれてしまった。(^^; やっぱりこれ、人気あるなぁ。パナソニックさん、こいつ、もっと宣伝してあげてください。そうしたらもっと売れますよっ。

 とりあえず、ノシャップ岬へ行ってみることにした。走りだして、驚くことにあっという間に着いてしまった。地図での距離感を見誤ったようだ。(^^; まぁいいかと写真撮影。カシャ。

「ノシャップ岬」です。 「ノシャップ岬」です。
「ノシャップ岬」です。

 ここの風は強い。強風は名物になっているくらいだ。寒くなってきたので、「ノシャップ寒流水族館」へ入ってみた。いきなりゴマフアザラシがいる。 館内は暗く、写真は撮れなかった。中はそんなに広くはない。とはいえ、120種、3,000点あまりというから、数字だけをみると結構なモノだ。

ゴマフアザラシ…らしい。ゴマちゃんとちょっと違うね。
ゴマフアザラシ…らしい。ゴマちゃんとちょっと違うね。

 11時を過ぎた。ちょっと早いけど昼飯にしよう。と、土産物屋兼、食事処へ入る。カニラーメンなど食べてみた。まぁ、カニはいいカニじゃないし、そこそこだ。でもこれで1,000円は高すぎる。(;_;)

 次は日本海側を走る。3kmも行くと「稚内温泉『童夢』どーむ」が見えてくる。おお、いきなり温泉に入ってみるのも悪くない。

 入浴料600円……。今までで一番高いぞ。いろいろと種類はあるけど…。

 たっぷりとふやけつつ、再び南下。途中、「夕日が丘パーキング」というパーキングがあるのでそこで利尻を撮ってみたりする。この道道を通るとまた稚内市街へ戻れるのだ。

 途中買い物などをして、午後3時にキャンプ場到着。 今夜の夕食はすごい。稚内牛リブロース200gだっ! 焼くのが難しいので、焼肉のたれを多めに使って煮込むような感じで作ってみた。それをご飯に乗せて、牛丼風にしてみる。

 うひー、美味いよー。(;_;) 100g500円のコトはある。バクバク食って大満足。自炊でここまで満足したのは初めてかもしれない。

 酒も入っているので食うと眠くなる。明日は鏡沼目標だ。距離は短いから急ぐこともないだろう。ルートを確認して、早々にシュラフに入った。

走行距離 29.9km
実走行時間 2h6m
平均速度 14.1km/h
最高速度 40.4km/h
積算距離 1732.6km


1999年07月15日(Thu) 霧 のち 晴れまくり edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 31日目 この夏最高の暑さ。

 夜中に、テントに落ちる雨音で目が冷めるも、焦ってもどうしようもないのでまた眠った。明け方、目覚めてテントの窓(換気用にあるんですが)から外を見てみると、なんと真っ白。くぅ〜、また霧だよ。(;_;) しかも昨日よりひどい。北海道って、どこに行ってもこうなんだなぁ。道東だけじゃないんだ。

 とにかく、晴れないと動けない。あんまりテントから出なくてもいいように、朝食は洗い物が出ないように工夫した。ああ、でも顔と歯を磨かないと…。何のための工夫だったのやら。(笑) まだ十分に寝ぼけているようだ。

 しょうがないのでまたも待つことにする。でもこの霧、ちょっと怪しいなぁ。天気予報で確認してみる。今日の稚内は曇り、現在は濃霧注意報。これから行く天塩(てしお)方面は曇りだけど、時々日がさすとか…。明日はどちらに居ても夜から雨だそうな。ふ〜む。とにかく今日は霧次第だな。明日の雨は夜からということだから、昼間のうちなら移動は可能だ。

 晴れはしないから、今日も移動のための走行となりそうだ。つまらない。

 午前9時を過ぎた。まだ霧は晴れ切ってはいないけれど、なんとかなりそうだ。撤収撤収! テントは乾き切ってはいないものの、十分畳める。荷物を自転車に乗せ、午前10時半薄曇りの稚内を出た。

 しかし、30分もしないうちに晴れ出して、最高の景色が見えるようになってきた。まったくよくわからないぞ北海道。まぁ、晴れたならいいか。

景色の先には利尻島。
坂を上っている途中から、こんなのが見えてきたらペダルにも力が入りますよねぇ。

 利尻はとてもきれいに見えるし、左にはサロベツの原野が広がる。ああ〜いいっすねぇ。さっきの霧の不機嫌など完全にどこかへ消え去ってしまった。日差しは最高。……でもちょっと暑いな。そう、次第に暑くなってきた。この天気の良さは半端じゃないぞ。熱射病にでもならないといいけどな…ということを気にするくらいに暑い。

 この天気だし、ライダーも喜んでいるのか、たくさん挨拶をしてくれる。いいね、最高だね。やっぱり旅は天気がいいに限るよ!

利尻の美しさをご覧あれ。 利尻の美しさをご覧あれ。
利尻の美しさをご覧あれ。

利尻の美しさをご覧あれ。 バッグにとまったテントウムシです。(^^;
右は、バッグにとまったテントウムシです。(^^;

 しかし暑さでヘロヘロになりつつ、天塩川を越えた。あともうちょい。

「鏡沼海浜公園キャンプ場」

 天塩港の真ん前にある海浜公園内のキャンプ場だ。反対側には鏡沼と称する沼…というより池みたいに小さいけど…があってボートにも乗れる。で、ここはすごいぞ! 何がって、洗濯機、シャワーは全てタダ! キャンプサイトもタダなので、かかる費用は食費だけ! ライダーなんかにはベースキャンプとして最適かも! 他なんて取るところは徹底的に取るからねぇ。

 管理棟へ行く。おばちゃんも暑さに参っている。どうやら、今日のこの付近の暑さは、この夏の道内で最高だったらしい。はぅ〜、どうりで……。

 さっそくシャワーを浴び、洗濯をしてやっと人心地着いた。今日は全然お金がかかってない。ビールも買ってないしね。ちょっとウニ丼とか稚内牛なんかで使い過ぎてしまったから、今日は倹約。(笑)

 ここは、刺す虫は居ないようだけど、やたらとアリが多い。しかもこいつらなんだか賢い。テントのジッパーを開けると「待ってました」とばかりに入り口に寄ってきて中に入ろうとする。また、テントを這っているアリを手で払おうとするとすぐに気づいてサッと逃げる。やるな。そういうやつらには殺虫剤攻撃とデコピン攻撃だ。とりゃ。でもキリがないのですぐにやめた。

 午後6時に夕食。今日ほど暑くなくていいから、明日も晴れてね。(^^; 予報の夜の雨が降らないことを祈りつつ就寝。

夕日が沈むところです。
夕日が沈むところです。

走行距離 71.9km
実走行時間 4h0m
平均速度 17.9km/h
最高速度 43.0km/h
積算距離 1804.5km


1999年07月16日(Fri) 朝方まで雨 のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 32日目 いざ、天売・焼尻島へ!

 夜中、雨が降ったり止んだりしていた。あらら、降るのは明日じゃないの? そう思いつつ、まぁどうでもいいかと再び眠りについた。

 朝、目覚めてみると太陽が出ているらしいことがテントの中から伺えた。ふっ、やっぱりそうでなくちゃ! 朝飯を作ろうと思った矢先、ドーッ! と、勢いよく雨が降ってきた。

 あーっ! もうワケがわかんねぇ!(^^;

 予報では、雨が降るのは今日の夜からだということに変わりはない。今晴れていてくれなくちゃ、早いウチの移動が出来ない。今日ここに居たら、明日もまた雨で足止めを食らう可能性が高いしな…。……まぁでもここ安いからいいんだけど。(^^;

 半ば開き直って飯を食う。いつもの霧みたいに、9時くらいになったら止んでくれるかも? と、飯を食い終わった午前6時。雨はいきなり止んだ。なんだかバカにされているような気が…。(^^;

 青空が出てきた。また暑くなりそうだ。荷物を片づけ、午前7時半、羽幌へ向かって出発。

 ここからの道はあんまり見どころが無い。とりあえず走る。文章もかなり割愛。

 それにしても暑い。これまで何度か暑い日はあったけれど、ここの暑さは東京のそれに近く蒸し暑い。蒸し蒸し蒸し蒸し…。頭がどうかなりそうだ。ボトルの水はあっという間に空だ。パーキングエリアの水飲み場で補給する。道は上ったり下ったりが延々と続く。数えていなかったけど10以上はあったんじゃないのかな。それぞれは距離が短いし傾斜もキツくはないのだけど、とにかくひっきりなしに続くので精神的に疲れる。

 正午。羽幌の港に到着。今日はここから天売・焼尻へと渡る予定。時間を見ると13時20分発とある。時間はちょうどいいじゃないっすか。料金は、自転車が820円、天売までの乗船券が2410円とある。高いなぁ。(;_;) 一泊だけで焼尻に渡ろうかと思ったけど、これじゃ元が取れないな。二泊くらいするか? 今夜から雨だって言うしな。とりあえずさっき買ったコンビニ弁当を食べよう。

 チケットを買い、13時20分、船は港を離れた。フェリーに乗るのももう手慣れたモノだ。初めはどうしていいのかわからずに結構あたふたしてしまったけど。(^^;

 船は行く行く天売へ向けて。ここのフェリーは、礼文・利尻のように双方へ向けて船があるわけでなく、まずは焼尻へ行き、そして天売へ行くというルートになっている。帰りも同様。故に余分に時間がかかる。まぁ、小さな島だし、それぞれかなり近いしね。島までは100分というから、ちっと寝てるかな。

天売・焼尻島遠景。 もうすぐ天売島到着。
天売・焼尻島遠景と、もうすぐ天売島到着

 天売島到着。キャンプ場は目の前だ……と、な、なんだこりゃ。

 まるで近所の空き地じゃないか。(^^; それになんだ、ガイドに書いてあるシャワー施設なんかどこにもないぞ。これ、きっと海水浴シーズンに入らないと無いに違いない。(;_;) プレハブの更衣室はあるけど、これじゃ何の意味も無いぃぃぃ! なぁぁんてこった。念のために観光案内に電話して入浴施設を聞いてみるも、それは無いという話。ががーん! どないしてくれんねん! このガイドブックー!(^^;

ひどいキャンプ場。(笑)
ひどいキャンプ場。(笑) プレハブ右から画面右端までしかサイトがありません。

 予報通り空はどんどん曇ってくる。や、やばい。とりあえず、雨が降ってきたら自転車ごとプレハブの更衣室へ放り込んでしまえ。今日はここには誰も居ないし、残る船は高い高速フェリーだけ。キャンプ場へくるような奴が高速フェリーなんか使って来ないよな…と、他に誰も来ないことを期待しつつ、時が過ぎるのを待った。

 まぁ、もう今日は移動しないし、飲むしか! と、近所の販売機で買ってきたビールをあおる。チクショウ、もうこれだから旅は最高だぜ! とイヤミ混じりでつぶやいたりする。まぁね、雨、風、霧、露がしのげれば問題無いワケだし、ここもそういう意味では問題ないか……このまま済めばね。(^^;

 ……ベンチでぽつん。寂しい。

 遠くで雷鳴らしき音がする。雷鳴じゃないことを祈ろう。(^^; 留萌地方の天気予報では大雨とか雷雨とかの警報が出ているらしい。ひぃぃ、勘弁してください。ホントに。(^^;

 いつでもプレハブに自転車ごと逃げられるように、テントは張らず、来たままの状態で日が暮れるのを待つ。目の前を、レンタルサイクルに乗ったカップルが通り過ぎていくが、このキャンプ場の異様さにか、それともこんな所に人が居ることに驚いたのか、唖然とした表情だ。

「ばかやろう、俺だって好きでこんな所にいるんじゃねぇ!(^^;」

 …あ、まぁ、半分は好きで居るんだけど。(爆)

 むぅ、あの音は本当に雷鳴臭い。なんか、ちょっとワクワクしてきた。(笑) なにせプレハブという力強い見方が居るし、大雨さえ降ってくれればプレハブに逃げ込んでたって誰も責めはしないだろうという、人の厚意を逆手にとった目論見がこっちにはあるんでぃ!(威張ってみる人)

 午後4時半、ポツッと膝に雨粒が…。それっ! とばかりに自転車ごとプレハブにこもる。数分後、勢いよく雨が降ってきた。ふぅぅ。

 しょうがないので濡らしたタオルで身体を拭く。水場は外なので、洗い物などは出来ない…ワケじゃないけどしたくない。問題は飯だな。手元にあるのはみんなレトルトばかり。ようするに主食が無い。くっそー、食パンでも買っておけばよかったなぁ。飯を炊くには面倒が多いのでパスしたい。むぅ。まっ、しょうがない、たまには我慢しよう。スニッカーズを食べて今日は終わり。酒さえ入れば眠れるし!

 ということで無理矢理寝る。おやすみなさい。

走行距離 68.1km
実走行時間 3h57m
平均速度 17.2km/h
最高速度 50.9km/h
積算距離 1872.6km


1999年07月17日(Sat) 曇り ときどき 雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 33日目 撤退だーっ!(^^;

 午前5時、待ってましたとばかりに飛び起き、一瞬で荷物を片づける。こんなとこ、いつまでも居られるモノかっ!(^^; (いや、天売島には何の責任も無いのだが) 一番のフェリーは10時45分。島は一周12kmしかないから十分余裕で観光は出来る。でもすごい曇り。どんよりどよどよ。まぁいいや、とりあえず一回りしてきて、そのままフェリーターミナルへ逃げよう。

 走り始める。4kmくらい進んでから、すこし霧が出てくる。ちょっと迷うも、そのまま進む。すると道は一気に上り始めた。野鳥の住む高台へ行くためだ。ところが…というか、やっぱり、上るに従い霧はどんどん深くなり、しまいには雨になってしまった。がーん、やっぱりー!(^^; しかも道は上る一方。霧が深いから先が読めない。たぶん、もうちょっとで営巣地へたどりつこうかというところで進むのを断念。来た道を引き返した。もうオロロン鳥どころじゃない(とはいえ、98年の時点で生息数17羽というから、まず見られない)、自分の身のほうが大切だ。

 ずぶ濡れになりながらまたプレハブへ戻ってきた。ついてないなー。(;_;) というか行動が浅はかすぎたな。

 教訓「霧が見えたらそれ以上進むべからず」(観光の時だけ)

 しかしこれで一気に気力を失ってしまい、焼尻へ行く元気がなくなってしまった。ガイドブックの写真を見る限りでは、キャンプ場もここと似たり寄ったりな雰囲気だし…。いいやもう、羽幌へ戻ろう。

 思いっ切り早い7時過ぎにフェリーターミナルへ逃げ込むも、開いてない。(笑) そりゃーそうだろうな。とりあえず前で待つ。予想より早く、7時半くらいに開いたので中でじっと時が過ぎるのを待つ。なにせ天売発〜羽幌行きは10時45分。一眠りできるくらいの時間がある。

 周りの土産物屋を見渡していると、食事処が開いていたので、そこで味噌ラーメンを食べる。朝ご飯食べてないし。ウニ丼とか、いろいろと美味しそうなのがあったのだけど、ここは一つおさえて…。でも、かなり美味しかった。いい味出してます。コーヒーごちそうさま。

 10時45分、フェリー代と時間の無駄だったコトを大きく後悔しながら天売を発った。でも、来たことに意義があるのだよ。たぶんきっと。(;_;) さようなら天売島、たぶん、たぶん、もう来ないと思いまス。(苦笑)

 いや〜それにしてもちょっとタイミングが悪かったな。ここも晴れてさえいればかなりイケているらしい。フェリーターミナルの自由帳を読むとそれが伺い知れる。まぁこういうのも運命という奴っす。

 二等客室でひたすら目を閉じていた。うつむいていたせいか、羽幌へ着いたらちょっぴり船酔い気味。大丈夫だけど。

 そんなことより、羽幌は雨。降ったり止んだり。はぅ。一気に力が抜ける。アッタマにきたので、近くの温泉に飛び込む。「はぼろ温泉」つーところ。ホテルとくっついているタイプ。日の出岬と同じね。

 一時間くらい入って出てくると、しっかりと降っている。くそ。アッタマにきたので、もう一度中に入って生ビールを飲む。どうせこのままじゃ走れない。しばらく様子を見ることになるからだ。時間はまだ午後1時、余裕はある。そしてそれから一時間。いつ降りだしてもおかしくはないけど、今は止んでいる。行くか。雨宿りをしていた国道の橋の下(いざとなったらここで野宿するつもりだった)から苫前方面へ走り出した。

 が、1kmも行かないウチにパンク! ぎゃー!(^^; パ・ン・クなどしている場合かーっ!(^^; アッタマにきたので修理。(笑) 原因を調べると、なんとタイヤに穴が開いている。じつはこのタイヤ、この自転車を買ってからすぐに小さな裂け目を作ってしまっていたのだけど、それがとうとう穴になってしまい、チューブがやられてしまったのだった。とうとうここでタイヤ交換。穴の開いたタイヤは裏からパッチを貼れば応急用としてでも使えるだろう。捨てないで持っていくことにする。

 まだ雨は止んだままだ。素早く修理を完了させ、再スタート。でもやっぱり降りだしてきた。なんてことですか、ホントに。(;_;) しょうがない、最後の手段を使うか。

「とままえ夕陽が丘オートキャンプ場」

 ここは羽幌から10kmもない。近くて良いのだが、なにせ名前の通りオートキャンプ場。べらぼうに高い。自転車でも一泊1,000円だ。ここだけは行くまいと思っていたのだけど、しょうがない。ホテルに泊まるよりはマシだ。今は状況が状況だけに致し方なし。うきゃー! と道を逸れる。

 さっそくテントを設営し、コインランドリーで洗濯しつつ米をといで、やっと落ち着いた。はぁぁ。えらく疲れた。今日は全然走ってないのに何でこんなに疲れるんだ…と思ったら、今日は昼飯食ってないや。やっぱり人間食わないといけませんなぁ。

 オートキャンプ場というのは、私は基本的に嫌い…大嫌いなのだ。理由は一つ。「目的が違う」からなのだけど、こちらは「生活のためにテントを張る」のに対し、あちらは「レジャーでテントを張る」のである。しかも基本的に家族連れ。ガキがやかましい上に大人もハメを外してうるさいったらありゃしない。これがソロキャンパーの集まるキャンプ場なら、みんなしっかりとわきまえている。もちろん、ここはオートキャンプ場なので、私が場違いなだけ。こちらが我慢するしかない。今夜はどうしようもなかったのだ。運命のいたずらだ…って、なんかしつこいですが、それくらい酷いところなんですよぉぉぉ。(;_;)

 早く寝静まってくれることを願いつつ、「明日は早発ちだっ!」と心に誓う(でも天気次第)自分なのであった。

走行距離 21.7km
実走行時間 1h38m
平均速度 13.2km/h
最高速度 43.1km/h
積算距離 1894.3km


1999年07月18日(Sun) edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 34日目 状況判断の難しさ。

 夜中中バラバラと降っていた雨は、明け方には小康状態になり、起きた頃には上がっていた。空はまだ曇っていたけれど、晴れそうな予感に、午前8時、キャンプ場を出た。

 とりあえず目指すのは留萌にある「黄金岬キャンプ場」だ。ガイドの写真を見た感じ、かなり狭い。今日は日曜日、恐いのは人ゴミだ。いつもと変わらぬアップダウンをこなしつつ、延々とペダルを踏む。景色はそれ程いいワケでも無いので、描写割愛。途中、コンビニで早めの昼食。キャンプ場まではあと10kmも無い。楽勝。

 で、あっという間に到着。……したのはいいけど、やっぱり人ゴミだ。サイトはいっぱい。かろうじてイレギュラーな場所を見つけたのだけど、どうしようか悩んでいるうちに、あっという間に家族連れのワンボックスに占領されてしまった。くぅ、許すまじ、ファミリー!(;_;)

 次のキャンプ場までおよそ50kmある。行けるのか? 時間はまだ正午前。時間はある。どうしようか。ここが判断の難しさだ。

 ガイドを見ていると、次のキャンプ場の手前5km位に温泉があるようだ。ふと、長い距離を走ってヘロヘロになりながら温泉につかる自分を想像する。さらに風呂上がりのビールなんかも。

 行くしかないっしょ!(すでに状況判断を見失っている奴)

  頑張る。とにかく頑張る。もう道の記憶など無し。ひたすらひたすらペダルを踏んだ。

 雄冬へ向かう増毛国道はトンネルの連続だ。いきなり2kmにも及ぶトンネルがある。中は暗い。後ろから来た車に跳ねとばされないことを祈りつつ、ひたすら出口に向かって走る。ちょー恐い。(^^; こんな調子でいくつものトンネルを抜ける。

 途中、いくつかの海水浴場の前を通った。意外と人が多い。海水浴にはまだ寒いと思うのだけど、こちらの夏は短いから、多少のコトは関係が無いのかも。そんな感じで、砂浜だけじゃなく、岩場やら道端のパーキングなどにテントが目立つ。

 そしてようやく温泉に到着。狭い温泉だけど、汗だくの自分には最高だ。

温泉です。いい眺めでしょ?
温泉です。いい眺めでしょ?

 風呂上がりにビールを一気飲み。今日の宿まではあと5kmだし、ゆっくり行っても20分程度だ。酔っ払っていてもいいっしょ。

「雄冬キャンプ場」

 目の前は海、真後ろが国道231号線という、実に狭いキャンプ場だ。単に通り過ぎただけなら、キャンプ場だとは気づかないような所だ。

 テントを設営している間に、一人のサイクリストが来た。話しかけると、なんと年は55歳という。見た目にはどう見ても40代だ。若い。乗り初めは数年前と言っていた割りには身体も出来上がっている感じで、普段随分と走っているのだろう。私とは反対方向から来たその人に、もう5km行くと温泉がありますよと告げると一目散に走っていった。

雄冬キャンプ場。
雄冬キャンプ場。

 こちらはこちらで、洗濯と飯の用意。ウイスキーを片手に、のんびりと夕陽を見る。今夜は一応晴れているから水平線に沈む夕陽など拝めるかな? 真後ろが国道なのでちょっと落ち着かないけれど、それでも管理人不在でタダだし、気楽なモンだ。

 夕飯。今日はレトルトのマーボー丼。結構イケますよ、コレ。と、飯を食っている間に、夕陽が消えそう。水平線までは、残念ながら降りてこなかったけど、雲の合間に消える夕陽を拝むことが出来た。夕陽って、沈むの早いんだなぁ。みるみるウチに消えて無くなった。

すいません、また夕日です。
すいません、また夕日です。(笑)

 さっきの男性が戻ってきた。ずいぶん遅かったので、話を聞いてみると、ずいぶんと温泉が気に入ったようで、出たり入ったり、さらに食事したりビール飲んだりとしていたのだとか。(^^; 戻ってきてテントを張ったらすぐに寝てしまった。

 不調だったメールサーバーをチェックし、午後9時就寝。札幌まではあと100km、およそ一日だ。札幌で会う人達のスケジュール調整が完了し次第、一気に札幌入りの予定。

走行距離 86.6km
実走行時間 5h11m
平均速度 16.6km/h
最高速度 63.4km/h
積算距離 1980.9km


1999年07月19日(Mon) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 35日目 とりあえず待機です。

 午前4時半に起きる。眠れなかったわけじゃないけど、なんでか目が覚めた。夜露か霧かわからないけれど、ちょっぴりテントが湿っている。でもまぁすぐに晴れそうな気配。のーんびりと朝食を作ってからメールチェック。うん、サーバーは大丈夫そうだ。

 この旅も、後は富良野と道南を残すのみ。富良野へは札幌から一気に函館本線で美瑛まで行き、そこから自走で富良野あたりのキャンプ場へ行く予定。そこで一泊してまた列車で札幌へ戻り、小樽からぐるっと道南を回る…という所かな? ただしこの方法は交通費がやたらとかかるので、どうするかはまだ不明。

 さて、それより今日はどうするかだ。ここから札幌まではおよそ100kmある。一日で行けるけれど、出来るならもう少し短くしたい所だ。この先のキャンプ場は20km先の浜益にある。でもたった20kmのためにテントを畳んで…というのもなぁ。

 札幌での予定はまだわかっていない。もしかしたら週末にまでずれる可能性だってある。そうなるとずっとここに居るのもアレなので、週末になったら先に富良野へ行ってしまおう。

 ここから富良野へ行くには、浜益から451号線を使って滝川まで行って、そこから函館本線を使うルートが一番だ。

 …てことは、いずれにしても今日は浜益まで移動しておいた方がいいな。札幌へ行くにしても、富良野へ行くにしても、ここからの20kmは後々ひびいて来そうだし。昼飯を早めに取って、午後から移動だ!

 午後12時過ぎに出発。距離は20km足らずだから、気楽を通り越してすでに散歩気分。天気は快晴。いいねぇ。最高だよ北海道!

 途中までは海岸線なので気楽なものなのだけど、途中から山岳のアップダウンの道に入る。速度は上がらない。たかだか20kmだけど、この距離は消化しておいて正解だな。距離計を見つつ、後どの位かを把握してペダルを踏む。そして到着、「浜益海浜公園・川下野営場」だ。敷地はかなり広い。海浜公園というだけあって、砂浜が目の前。故に家族連れが多い。なので端っこの方にテントを設営する。となると水場が遠い。…致し方ないか。水場の近くはテントでごった返しているし、そんな所に設営したくない。でもおかげさまでここは静かだ。

 ここは無料なのにかなり管理が行き届いているので好感が持てる。とりあえず札幌の予定が決まるまではここで待機だ。ということで、ビール!

 程よく酔っ払った状態で洗濯。米も研ぐ。やることはやった。後は風呂だけど、う〜ん、今日はいいや。(^^; 明日何もなければ6km離れた温泉へ行ってこよう。今日はもうその気無し。

 この後、札幌入りの予定が25日になることが決定。ふふ、そういうことを見越して浜益で待機していたのさ。(^^) よし、明日は富良野へ行こう。問題はどういう方法で行くかだ。全て自転車だと2日かかっちゃうので、やっぱり滝川から函館本線を使って美瑛入りしよう。滝川まで自走するか、バスを使うか…。バスを使いたい気持ちはあるものの、荷物が多いから迷惑にならないかなぁ…と心配。とりあえず明日の朝、パッキングをしてみてから考えよう。

 というわけで夜、早々に寝ようとするが、ここは海浜公園なので、若い奴らがハメを外してやたらとうるさい。夜中までギターで歌う○カ、夜中まで打ち上げ花火を上げる○ホ、まったく眠れず、午前0時近くまでうとうと…。(;_;)

 まぁでも楽しんでるんだからいいっか。ここはそもそもそういう所なんだから。頑張って就寝。夜中には眠れていたはず…。

走行距離 20.6km
実走行時間 1h11m
平均速度 17.2km/h
最高速度 49.1km/h
積算距離 2001.5km (2,000kmを越えました)


1999年07月20日(Tue) 朝方曇り のち 晴れまくりの晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 36日目 いよいよ富良野だっ!

。  午前4時半に目覚めちゃう。実質睡眠時間、4時間無いぞ。くそう、絶対に今日はここを出ていくぞ。そういう気持ちで飯をたらふく食う。

 交通手段は、やっぱりバスを使うことにした。なんかね、最近疲れが取れないんすよ。(苦笑) バスは8時に来る。急いで準備。急いだお陰で、1時間前にバス停に到着。まぁいいっすよ。待ちましょう。ベンチでボーッ。

 バスが来た。なんだ、3人しか乗ってないや。さぁ、滝川へ向かってゴーだ!

 とりあえず道を見る。それほど酷い上りは無い感じ。自走でも十分イケルかな? でも、しばらく進むと山の中に入り、結構なアップダウンが続く。目で見ているだけだからなんとも言えないけれど、それほど酷くはなさそう。でも距離は50km以上だ。走れば4時間くらいはかかるはず。バスは偉いよ。

 9時20分、滝川到着。しかし、駅がどこにあるのかわからずにウロウロ。重たい自転車と荷物を担ぎつつ、滝川駅へたどりついた。

「すいませーん、美瑛まで行きたいんですがー」
「美瑛? 富良野*********ですか?」
「はぁ?」
「ですから、富良野*********ですか?」
「えーと。(^^;」

 訛りがあるのか、早口なのかよく言っていることがわからない。困っていると駅員さんは走ってホームへ行き、これから出発する列車を止めてしまった。

「さ、早く早く!」

 言われるままに荷物を担いで乗り込む自分。たぶん、これが美瑛へ行けるんだろう。すると扉が閉まる前に駅員さんはこう言った。

「富良野で乗り換えてね」

 え? 乗り換え? がーん! 根室本線に乗せられたー!(^^; 乗りたいのは函館本線ー! そうかー、さっき富良野がどうのこうの言っていたのは乗り換えのコトを聞いていたのかー!(^^; まぁいいか。方向がまったく違うワケじゃなし、とりあえず富良野へ行って、そこから考える。

 単線のレールを列車(でも一両編成だから、列車とは言わないのかなぁ)は走る。寝たいけど、荷物があるので眠れない。しょうがないから景色を見る。でも森ばかり。暇だ。

 一時間余りで富良野へ到着。さて、乗り換えか。って、おい。

 乗り換えには、階段を上がって、左へ行ってまた同じ階段を下って隣のホームへ行かないとならない。ぎゃー! 勘弁してくれー!(^^; 左へ行かずに、右へ行くと出口がある。なんか……どうしよう。(^^; 美瑛に行ってまたコレじゃイヤだなぁ。いいや、美瑛は明日にして、今日はさっさとキャンプ場へ行こう! てなこって富良野で下車。

富良野駅です。
富良野駅です。駅前はエンドレスで「北の国から」のテーマが流れ続けてます。

 いきなり暑い。東京と大差無いくらい暑いぞ。自転車を組み立てる自分。すでに汗ダラダラ。なんだってこんなに暑い!(^^; その後、駅の立ち食いそばで昼食。観光案内でいろいろパンフをもらって、上富良野へ向かう。

 それにしても富良野。なんか勘違いをしていたのか、普通の街だ。イメージとして、駅に着いてからいきなり大平原が広がっているのかと思ってました。(^^; とにかく駅前の商店街を抜けて、国道237号線を上富良野へ向かう。およそ20km。

 途中、渋滞があった。北海道に来て渋滞を見たのはコレが初めてだ。その渋滞はラベンダー畑で有名な「ファーム富田」へ続いている。ははぁ、みんなコレが目当てだな。こちらはこちらでそのまま国道を走る。

「上富良野日の出公園キャンプ場」

 富良野にはいくつかキャンプ場があるのだけど、ここを選んだ理由は簡単。「食品店が近くて風呂も近い」からだ。(^^;

 結構混んでいるけど多少の空きはある。運良くいい場所を確保。まだまだ日が高い。ので、日陰でボーッとする。暑い。本当に暑い。ここ富良野は山に囲まれているから、要するに盆地だよな。だからなのか?

こんな感じのキャンプ場です。
こんな感じのキャンプ場です。この撮影点の右側の山を越えると一面ラベンダーが広がります。

 午後2時半まで我慢していたけれど、耐え切れなくなり、温泉へ向かった。ここはなんと600円! しかもたいしたことはない。ひぃ〜、道内でも一番コストパフォーマンス悪いかもぉ!(^^; あえて名前は書かないけど。(^^;

 風呂上がり、近くのスーパーへ向かった。そうしたらいきなりガスボンベ発見。やったー。残り一つをすでに使い始めていたから助かった。後は道南を残すのみだから、小さいのを二つにしておこう。後はビールと……豚肉でも買うか。

 テントへ戻って洗濯しつつビール。このキャンプ場は、裏に町営のラベンダー畑が広がる、とても環境のいい所なのです。とりあえず明日はラベンダーを堪能しよう。待ちに待った富良野だしね。数日のんびりしようっと。

走行距離 20.5km
実走行時間 1h21m
平均速度 15.1km/h
最高速度 44.8km/h
積算距離 2022.0km


1999年07月21日(Wed) 朝方霧 のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 37日目 時を駆けそうになった自分

 午前4時半に起きる。すごい霧だ。(^^; もー、どうでもいいっすー。しばしまどろんでコーヒーを入れる。1時間くらいして霧はさくさく晴れてきた。雲が少し残っていたので、完全に晴れるまでちょっと待つ。

 午前7時半過ぎ、キャンプ場裏のラベンダーを観てから、まずは美瑛に向かってスタート。

キャンプ場裏のラベンダー畑。 キャンプ場裏のラベンダー畑。
キャンプ場裏のラベンダー畑。きれい。

 国道237号線、上富良野を過ぎて美瑛方向へちょっと行くと丘陵畑地帯に入る。キツくないけれど、アップダウンが続く。何せ今日は自転車が軽いから、ひょいひょいと走る。

 途中の「かんのファーム」で休憩がてらラベンダーを観る。面積は7,000平方メートル。富良野のラベンダー畑としては、これでも狭いほうに入る。とはいえ十分にきれいだし、朝も早いから人が少なくて実に快適。

「かんのファーム」のラベンダー畑。 「かんのファーム」のラベンダー畑。
「かんのファーム」のラベンダー畑。

 いきなりアイスなど食べてみる。結構美味い。再スタート後、しばらくして美瑛駅に到着。この後、ここから一気に富良野線で富良野まで戻るつもりなので時間を確認。10時か10時20分があるけど、後者は「ノロッコ号」と言って観光用の列車らしい。途中、時速30kmで走ってくれるのだそうだ。こっちの方が面白そう。ということで、それまでの時間、ちょっと離れた「マイルドセブンの丘」というのを見に行くことにする。

 名前からして、たぶんCMとか広告で使われた丘なんだろう。到着するけれど、別段面白くない。(^^; まいっか。で戻る。

マイルドセブンの丘。
マイルドセブンの丘。

 再び美瑛。10時20分のノロッコ号に乗り込む。自転車があるので座席には座れない。扉の窓から外を眺めつつ、車内の案内アナウンスに耳を傾ける。なんて書いてるけど、言うほどの見どころがあるわけじゃない。たまに見えるラベンダー畑とか、誰だったか忘れたけど、ある写真家が撮影舞台にしていた学校とかがチラッと見えるだけ。というワケで富良野到着。

美瑛駅
おっとその前に美瑛駅。

 ラーメン屋に飛び込んで昼食。その後は「チーズ工房」という所へ行ってみる。ここには「手作り体験工房」なんかがあるらしいのだけど、目的はチーズ。しかし、到着して売店へ行ってみるとこれが高い。ちっこいチーズがなんと800円以上。ふぅ。試しに試食させてもらうと確かにこれが美味い。(;_;) しかし…。としばらく悩んでいたものの、結局買うのを諦めた。その代わり、チーズのソフトクリームを食べてみる。ううう、コレも美味い。

チーズ工房。
チーズ工房。

 次、ワイン工場。「ふらのワイン」というのは聞いたことがあるけれど、実際にはかなり有名らしい。中に入って試飲コーナーで4種類全部試してみる。あれれ、なんだか酔っ払ってきたぞ。(笑) とりあえず安い白ワインなど買ってみる。後でテントで飲もう。

ワイン工場。
ワイン工場。

 そこから、北海道の中心に当たる、中心標を見に行ってみた。これがなんと小学校の中なんですね。驚き。(^^; 中心だから、人間の体に見立てて「北海道のへそ」なんて言われているらしく、7月下旬には「へそ祭り」なんてのがあるらしい。みんな腹踊りするみたい。

北海道中心標。
北海道中心標。真ん中にぽつんと見える大きな石が、北海道のど真ん中になるわけです。しかも小学校の中。

 その後は「彩香の里」「ファーム富田」とラベンダー畑をはしご。でもなんですね、ラベンダー畑なんて一度観れば十分という感じがします。観た感じはどこのもそんなに違いは無いし。というワケで上富良野のキャンプ場へ到着。午後3時。

 速攻で風呂へ行き、洗濯して飯の準備。先ほど買ってきたワインを隣のテントの人と空ける。結構美味しかった。(^^) それからは前のテントの人と夜9時まで旅の話で盛り上がった。久しぶりの楽しい時間。旅も通信も似たようなものだという感じがする。どちらも、今までまったく見知ったことが無いし、普通に生活していれば出会うこともないような遠くの人たちとすぐにうちとけて話に興じることが出来る。通信が好きな人は旅も好きだと思うし、その逆もまたしかり。

 さて、それじゃおやすみなさい。

走行距離 72.0km
実走行時間 4h27m
平均速度 16.1km/h
最高速度 53.4km/h
積算距離 移動ではないため積算に含まず。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

あんちゃん [たのしーよー]

ぱぴごん [ラベンダーアイスクリーム食べてみたいなー]

いっとく [恐縮です。(⌒_⌒)]


1999年07月22日(Thu) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 38日目 そんなわけで、「北の国から」なわけで…。

 いきなり暑い。午前5時。すでに太陽が顔を出している。ひゃあ。今日も暑くなるな。

 とりあえずどうしようか考える。一回も見たことが無い、「北の国から」のオープンセットでも見に行こうという気になって、午前8時くらいに上富良野駅へ行ってみる。時間が合えば、このまま列車で布部駅へ行って、そこから自走してしまおうじゃないかという思惑からだったのけど、全然時間が合わなくて仕方なく上富良野から自走して行くことにする。

 道は平坦だし、楽なもの。途中、道に迷ったりしてしまったけど、何とか「五郎の丸太小屋」へ到着。ところで五郎って誰?(^^; まいっか。写真など撮って、次は「五郎の石の家」なんかに行く。ここはまだまだ今後のドラマに使うということで、遠くからしか見ることが出来ない。てことは、まだまだ続くんだねぇ。>北の国から で、五郎って誰?(^^;

五郎の家 五郎の家

五郎の家 五郎の家
五郎の家だそうです。

麓郷の風景 麓郷の風景
麓郷からの風景。いい感じっすね。

 なんだかワケのわからないまま、近くのジャム園へ行って、イチゴジャムなど買ってみる。試食したら美味しいし。(;_;) 明日の朝はパンに決定。そこいらのジャムと違って、固まってないんですよ。どろどろで、見た感じも美味そう。うーん、明日の朝が楽しみだー。

 そのまま道を戻って富良野駅へ行こうとしたけれど、自転車を畳むのが面倒だったのでやっぱり自走。ていうか、結構元気だったし。頑張って一直線の道を走る。風の応援はあったものの、とにかく暑いのでバテまくり。ボトルの水も無くなってしまったので、自販機で500mlのコーラ一気飲み。っかー! 午後2時半、テントへ到着。有無も言わさず温泉へ。1時間くらい入ってすでに脱水状態。でもここは我慢。近くのスーパーでビールと夕食のおかずを買い、テントへ戻る。ここで恨みをはらすがごとく、ビール一気飲み! えーん、美味すぎるー!(;_;)

 飯の準備。この時、炊事場の目の前でテントを設営しようとするおじさん一名。とりあえず放っておく。

 飯。今日はロースカツ。うみゃー。(;_;) その後、洗い物と歯磨き。あれれ、おじさんまだ設営し終わってない。まだ様子見。さらにしばらくして水汲みに行くと、まだ状況は変わっていない。(^^; ということで設営に協力。5分後には立派なテントが張られた。おじさんは恐縮していた。来る前に練習したんだけど…とは言っていたモノの、実際には上手くいかないモノ。今後も上手く設営できるようにねと願いつつ、テントへ戻ると、数分後におじさんがカップラーメンを二つ持って来てくれた。丁重にお礼を言う。おじさん曰く、「いっぱい持ってきたから」。いっぱい持って来た? カップラーメンなんてかさ張るんだからそんなに持って来れないはず。何で来たんだ? 車か? 後になって炊事場へ行ってみると、なんとおじさん、家庭用のカセットコンロで、しかも大きなヤカンでお湯を沸かしている。こりゃ、車に違いない。ふむ。ま、それはどうでもいいか。車なら荷物は多くてもいいもんね。

 夜7時過ぎ、徹底的に酔っぱらったので寝ることにする。おやすみなさい〜。

 …と、それからしばらくしてまた先ほどのおじさんがやってきた。こちらはすでに睡眠体制。ボーッとしたまま対応すると、何やら缶とコンビニの袋をくれた。ワケのわからないままとりあえずお礼。再び深い夢の中へ…。

走行距離 89.6km
実走行時間  4h38m
平均速度 19.3km/h
最高速度 44.2km/h
積算距離 移動ではないため積算に含まず。


1999年07月23日(Fri) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 39日目 神居古潭!

 目が覚める。ここ数日、おかしな夢ばかり見るな。面白いからいいけど。と、夢の内容を反すうしていると、昨日のコンビニ袋に目が行った。ああ、昨日のおじさん、なにくれたんだ? と袋を開けると、中には牛丼弁当が…。

「なぁにぃぃぃ!?(^^;」

 昨日の日記から続けてここまで読まれてきた方はすでにお気付きだろう。私が今朝の朝食で何を期待していたのかを。そう、手作りジャムと食パン〜。(;_;) でも牛丼、今食べないと昼までは持たないかも…。なにせ暑いし。というワケで半分泣きながら牛丼を食べる。

 今日は神居古潭へ行ってみることにする。旭川のあたりからサイクリングロードが通っているようなので、ここまでは輪行で行く。

 さて旭川。名前だけは良く聞くけれど、実際にどうなのかまったく予備知識は無い。しかし、たどりついてみるとなんてコトはない、普通の町だ。駅の前をまっすぐに伸びた歩行者専用道路が素晴らしい。地図を見ると、北海道らしく良く整理されているし、普通と言っては語弊があるかな?

説明 旭川橋から見た石狩川。

 まずはここから一気に「川村カ子(ね)ト アイヌ記念館」へ向かった。

川村カ子(ね)ト アイヌ記念館 川村カ子(ね)ト アイヌ記念館

川村カ子(ね)ト アイヌ記念館
川村カ子(ね)ト アイヌ記念館

もらったパンフによると、

 川村カ子トアイヌ記念館は、上川地方アイヌを代表する旧家として知られる川村家・第八代目・川村カ子トアイヌ古老(昭和52年没)が生前アイヌ民族文化を正しく伝承するため自ら私費を投じ多くの苦難に耐えて大正5年に建設した北海道最古のアイヌ文化の貴重な資料館であります。

 とある。中に入っていろいろと観てみる。この人、好きな人は大好きな、あの長野の「飯田線」を作るのに、測量士として多大な貢献をしたらしい。へぇぇ、そんなの知らなかったっすー。

 土産物屋で店の人とちょぴっと談笑。とはいえ、ここであまりのんびりしてはいられない。次の目的地へ急がないと……。というワケで、旭川から伸びているサイクリングロードを走って神居古潭へ向かう。この道はなかなか雰囲気が良くて、左手に石狩川をちらちらと観つつ、木々の間を走ることが出来る。う〜ん、いろいろとサイクリングロードは走ってきたけど、ここは最高。

 しかし、数キロも行かないうちに、通行止めの看板が。なにやらこの先で落石があったらしく、通れないとか。道はそのまま橋を渡り、川を渡った隣のサイクリングロードへと続いていた。こちらは何と旧国道を再利用したもの。先ほどまでのサイクリングロードと違うのは、すぐ隣が国道でうるさいということか。まぁでも元は国道だから、道幅は広い。その点だけは快適かな。

 小1時間程度で神居古潭到着。とはいえ、何があるわけではない。あ、つり橋があるわ。渡ろうとすると「この橋は一度に10人以上渡れません」とか、恐いことが書いてある。渡り切ると、先ほどの落石のあったサイクリングロードが続いていた。その傍らに、なにやら駅のホームらしいものがある。その前には駅舎みたいな休憩所が。再び目をホームに戻すと、なんと駅名を書いた看板(正式になんて言うんですかね)が立っている。駅名は「神居古潭」だ。

駅の看板。 デゴイチで有名なSL。
駅の看板とデゴイチで有名なSL。

一度に十人以上渡れない吊り橋。(^^;
一度に十人以上渡れない吊り橋。(^^;

 あっ、こっちのサイクリングロードって廃線を利用したものなんだぁ。へー。と、振り返るとそこにはすでに動くことのない蒸気機関車が3両。昔はここを機関車が走っていたのかぁと、ちょっと感動してみたりする。

 さて、ここでお昼。今日は朝食べそこなったジャムと食パンを持ってきたのだ。(^^) 食パンはさすがにつぶれてるけど…。でもジャムの美味しさに4枚も食ってしまった。

 午後は同じ道を通って旭川駅へ。戻る上富良野までは1時間くらい時間があったので、ちょっとだけ町を散策。そして15時24分発の富良野行きで上富良野へ戻った。

 ここから先はいつもの通りなので割愛。(^^; 明日は雨模様ということで、何もしないことになるかも?

走行距離 55.5km
実走行時間 3h14m
平均速度 17.1km/h
最高速度 42.5km/h
積算距離 移動ではないため積算に含まず。


1999年07月24日(Sat) 雨 そして 強風 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 40日目 完全な休養日。

 昨晩就寝してから、雨が降ったり止んだりとコロコロ。でも日が明けても変わっていないのはものすごい強風。いつかテントが壊れるんじゃないかと冷や冷やしていたけれど、今のところ大丈夫。結構丈夫だな、これ。

 荒れ模様だった天気は若干回復したので、出かけることにする。今日は観光ではなく、前々から目をつけていた富良野の図書館でページを作ることにした。たぶん、電源の取れる机があるに違いない。近ごろはパソコン持ち込みで勉強する人だっているはず。

 というワケで今日も上富良野〜富良野間を富良野線を使って移動。しかも今日は自転車は上富良野の自転車置き場に置いたまま。久しく身軽。

 昼前に図書館に到着。やはり電源の取れる机がある。(^^) そそくさと準備をしてページ作り。私のVAIOはMMX 200MHzとはいえ、メモリが少ないので、画像を開くときはやたらと時間がかかる。その間は「北の国から」のシナリオなんかを読んでみたりする。ふーん、五郎は離婚して北海道に来たのか…だの、純は当初はずっと逃げたがっていたのだな…とかいろいろ知る。なんか、ドラマが見たくなってきたぞ。(^^;

 15時過ぎに取りあえずの分をアップし、図書館を出る。昼飯を食っていないため、えらく腹が減っているのだけど、明日の移動のためにテントに戻って残った食料を片づけることに決めていたので我慢。

 上富良野駅に着いたら、雨がざんざか降っている。まいった。とりあえず駐輪場で雨宿りをするが、30分過ぎても止む気配無し。泣く泣く、自転車を置いたままタクシーで戻る。後でまた取りに来ないとならないけど、今はとにかく早く戻って何か食いたい。

 キャンプ場について、テントの中に入って数分後、雨はまるで水道の蛇口を止めたようにパタッと止んでしまった。テメェ。(;_;)凸

 明日は出発の日なので、手元にある食料をなるべく片づけようということで、食いまくる。小さめのジャガバター4個、カップメン、鮭缶。ぎえー、もう食えん〜。

 明日も天気は良くないらしい。なるべく早めに起きて、降っていないようなら早いうちに片づけて駅舎へ逃げ込もう。ということで蒸し暑い中、就寝。

本日休養日のため走行データ無し。


1999年07月25日(Sun) 雨 のち 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 41日目 再び来たぜ札幌!

 朝から断続的に雨が降る。とにかく、止んだ瞬間にテントを畳んでしまおうと、様子をうかがい、濡れたテントを畳みにかかる。お隣さんも手伝ってくれる。自転車は炊事場の屋根の下に置いて、荷物を積みにかかる。おかげさまで一気に片づけが済んだ。

 予定の列車までには1時間以上あるけれど、今止んでいるウチに駅舎に逃げ込もうということで、早々に別れを告げ、キャンプ場を後にする。

 7時前。荷物をパッキングした後、チケットを購入する。時刻表を見ると、一本早い列車に乗れそうだ。

 列車がホームに入ってくる。まだ雲行きの怪しい彼方を見つつ、富良野とのお別れを惜しむ。

 発車寸前、キャンプ場で一緒だった女の子が見送りに来てくれた。この娘は礼文島でも同じキャンプ場にいて、今回、会うはずもない富良野で再び再会していたのでした。雨が気になって、そそくさと出てきてしまったため、わざわざあちらから来てくれたらしい。ありがたい。

 この娘もそうだし、テントのお隣さんもそうだし、今まで会ってきたたくさんの人もそうなのだけど、とにかく情が移った人たちと別れるというのは本当に寂しいモノ。今回は滞在も長かったせいか、特に辛かった。あんまり、そういう思いをしたくないコトもあり、基本的にキャンプ場ではこちらから声をかけることはしないようになってしまった。でもやっぱりお互い好きな旅をして、たまたま出会ったキャンプ場で酒を飲み、話をし…というのは楽しい。私としては、その楽しい時でも、いつかは訪れる別れに関してすでに不安になってしまってたまらなくなったりする。

 そんな感覚にまた包まれつつ、列車は走り出した。一人は慣れているのだけど、でも、いままでたくさんの人の中にいて、そこからまた一人になってしまうこの瞬間は、やっぱり慣れない。

 そんなこんなでおよそ3時間、モヤモヤした気持ちの中、いよいよ札幌入り。やはり暑い。すぐに駅でホテルを予約し、そこへ急ぐ。チェックインはまだまだなので、荷物だけ預かってもらい、身軽な状態で札幌観光をしようというわけだ。

 札幌は今回で2度目。なのでどこへ行こうというような目的もなかったのだけど、まぁ、お約束の時計台だな。前回は改修工事(?)だかなんだかでちゃんと見られなかったし。

札幌テレビ塔 旧道庁

札幌時計台
TV塔とか旧道庁とか時計台とか。

 その後、大通公園を抜け、ラーメン横町へ。適当な店に入ってミソバターラーメンを食べてみる。なかなかいける。

 そうそう、懐かしのこのお店もまだ健在でした。(^^;

一部にお馴染み、居酒屋「いさみ」です。
居酒屋「いさみ」です。(笑)

 そろそろチェックイン。ホテルに戻ってシャワーを浴びる。昨晩は雨で風呂に行けなかったから、さっぱりした。(^^) ついでにやっぱり洗濯。テントも濡れたままで来ちゃったから、部屋の中でタープを広げて乾かすことにする。ちょっと無茶。

 今日は札幌の知り合いと会うため、なんだか気持ちも落ち着かない。(^^; ソワソワ…。約束の1時間前にホテルを出てみる。駅をウロウロしていれば1時間ぐらいすぐだろう。

 本屋へ寄ったり、土産物屋をまわったり。15分ほど前から待ち合わせ場所へ行ってみる。そしてみんなと会えた。

 今回、わざわざ来てくれたのは、仮眠部部員のゆーさん、田村さん、みらげさん。そして古くからの知り合いであるGinさんの4人。すぐにサッポロビール園へ。

 ジンギスカンというのは、たぶん初めて。(食べていたにしても、記憶に無いっす) なんというのかな。豚とも牛とも違う食感。おいしい。普段、自転車流の食事になっているから、一度にあんまり食べられない。でも徹底的に胃袋に詰め込んで食いまくり。ひー、腹が割けるー。(^^;

ジンギスカン サッポロビール園
ジンギスカンとサッポロビール園。ビール園はブレてます。(^^;

 その後は居酒屋でいろいろと話しつつ飲んだ。楽しいひととき。ゆーさんから以前にいただいたCGの原画をいただく。ひー、ラミネートして家宝に決定しよう。(;_;)

 三次会でカラオケ。しかしこんな時間まで起きているのはこの旅では初めてなのですでにダウン。のど風邪もあってか声も出ない。(^^; 残念。

 楽しい時間は過ぎるのが早い。すでに夜中なので解散。

 今回、いろいろとみなさんにごちそうになってしまいました。ありがとうございました。

 ホテルへ戻る。ベッドに倒れこんだら、そのまま寝てしまった。

本日走行データ無し


1999年07月26日(Mon) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 42日目 小樽の人

 午前7時に起きる。酒は残ってない。シャワー、食事とすませ、9時半にチェックアウト。国道5号線を小樽方面へ向かう。

 交通量はさすがに多い。とはいえ歩道の道が酷いので、可能な限り道に出て走る。お陰で精神的に疲れる。ヒィコラ言いつつ、手稲、銭函、そしてここにもある神居古潭を抜けて小樽へ。ここには「マイカル小樽」があり、その中に「石原プロワールド」がある。小樽はこれが目的だ。

 入場料1,200円。高い。でもしょうがないので払う。中はジェットコースターみたいな乗り物で案内される。もちろんスピードはのろい。その後は展示場へ。

 いろいろと見たけど、これで1,200円は高いなぁ。でも、西部警察が好きな人には安いのかも。あ、とはいえ自分も好きだけど、のめり込むほどじゃないので、高く感じましたとさ。

 次、勢いで「小樽よしもと」へも行ってみる。一言で、「吉本興行に興味の無い人は入っても全く面白くありません」てな感じ。ここも1,200円。もったいなかったと思う瞬間。正直言って、つまらなかったっす。(^^; あ、どちらも撮影禁止だったので、画像はありません。

小樽駅 小樽の運河
とりあえず小樽駅と、一部に懐かしの「うんが〜」(^o^)。

 その後、小樽のケンタッキーで遅目の昼食。そして道は国道229号線へ。ここからいきなり長い上り。気温は30度くらいあるから、もう汗まみれ。すでに水は無く、厳しい状態が続く。

 豊浜トンネルにさしかかった。ここって、確か以前に崖崩れでバスが巻き込まれたあのトンネルだよな。記憶に違いが無ければ…だけど。ちょっぴり緊張しつつすすむ。

「古平家族旅行村」

 やっと到着。しかしここは国道から外れて約2kmのながーい上りがあるのだった。汗ももう出し尽くした感じ。半分のぼせながらテント設営。そしてそこから再び自転車にまたがり、3.5km離れた「ふるびら温泉」へ。

 ここでさらに水分を絞り出し、テントに戻ってビール一気飲み! あう〜。

 洗濯の後、9時に就寝。出発が遅いと、当然ながら全体的に時間がズレ込む。ま、しゃーない。

走行距離 83.3km
実走行時間 5h31m
平均速度 15.1km/h
最高速度 60.9km/h
積算距離 2105.3km


1999年07月27日(Tue) 晴れ edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 43日目 勘弁してくださいよもう。(;_;)

 起きてからはいつもと同じなので割愛。午前7時半に出発する。ところが、ここから筆舌に尽くし難い程の向かい風が待っていようとは思いもしなかったのである! なにせ凄いんすよ。よくあるビル風ってあるでしょう。歩くのも困難なあれ。あれがずーっと続いている感じ。お陰でギアはロー。それでも時速5kmが精一杯。ペダルを踏むのも辛いので、押しに入るとメーターは時速3kmまで落ちる。それくらいの強風。要するに「天気の良い台風」並みなのだ。

 もー、覚悟を決めてヘロヘロで走る。辛い。とにかく辛い。もうこのまま家に帰りたくなるくらいキツい。「もう道南はいいから家に帰りたいー」てな感じ。積丹岬入り口に着くも、そこから半端じゃない上りがあるのでパス。同様に神威岬も9%の上りがあったのでパス。全く観光が出来ない。(^^; いや、まぁ観光が目的じゃないから…と自分をなだめてとにかく先へ進む。

積丹岬入り口の看板。 でもこれを上れっつーんですよ。(;_;)
左:積丹岬入り口の看板。右:でもこれを上れっつーんですよ。(;_;)

積丹岬。 神威岬。
積丹岬と神威岬。

「盃野営場」

 無料。うれしい。(;_;) 温泉も目の前。ラッキー。後はもういつも通りの進行。いやぁ、最近日記がつまらないっすね。まともに観光してないし。すいません。(^^; てなこって、今日は風に泣かされた一日だったのでした。

走行距離 71.3km
実走行時間 5h16m
平均速度 13.5km/h
最高速度 57.6km/h
積算距離 2176.6km


1999年07月28日(Wed) 曇り のち 雨 edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 44日目 どうなってる道南!

 今日も暑くなりそうだ…。

 午前5時、空は青く晴れ渡っていた。出発の準備をして、お隣さんにご挨拶。ここで30分以上旅の話で盛り上がる。すると、みるみるうちに空は曇ってきた。まぁ、自転車ならこれくらい曇っていたほうが助かるな。雨じゃなければ。

 この時、天気予報をチェックしていなかった自分を、今は後悔している。

 走りだしてしばらくするとぱらぱらと雨が降ってきた。感じとしては、大きく崩れることはないだろう…というような感じ。予想通り、そこからしばらくはぱらっと降ったり止んだりが続いていた。しかし、岩内に入ったあたりから降りは本格的になってきた。あれれ、なんだよこれ、昨日とはうって変わった天気だな…そう思いつつ、荷物だけ雨対策。すでにウェアは濡れてしまっているので、今から雨具を着てもしょうがない。このまま行くことにする。

 そこからがもう凄い。雨は降る降る、風は吹く吹く。もう全身ずぶ濡れ。たまに止んだりするのだけど、この調子じゃ晴れることはないな。

 丁度雨が小康状態になったので、コンビニでお昼。ひさしに隠れて食べる。でも食べ終わる頃にはまたすっかり本降り。はぁぁ、でも行くしかないよなぁ。でもこれじゃ、キャンプ場に着いてもテントの設営は難しそうだ。最悪、民宿か旅館に入るしかないか…。

 こういう時のトンネルは助かる。道は悪いけれど、雨には濡れないからだ。普段トンネルは結構イヤな存在なのだけど、今はありがたい。

「島牧村営本目海水浴場」

 着いたんだけど、やっぱり海水浴場だなぁ。(^^; 砂浜は嫌いだし、シャワーとか言いつつ、使えないようにされている上、管理人が見当たらない。はぅー。げっ、水道が有料だ。ダメじゃんか〜。(;_;) ダメだよダメ。もうこのまま先に進んでどこかの宿に入ろう。そして再び走り出した。

 宿はいくつもあった。でも何故だろう。自分のゴーストが「ここじゃない」とささやき続ける。おかげさまで雨の中を延々と走るハメに。でも何故か精神的にめげてない。この雨と風なのに、時々鼻歌なんか出てきたりする。やっぱ逆境は楽しまなくちゃ…とでも思っていたのか定かではない。

 ずんずんと進んでいる間に、少しずつ日が暮れかけてきた。さすがに6時間近く雨に打たれっぱなしのせいか、寒くなってきた。風邪には自信があるけれど、さすがに今回はひいちゃうかなぁ。

 島牧からいくつものトンネルを越え、途中、トンネルの待避所で野宿も考えた。しかしそれはあまりにもやばそうだったので、とにかく走った。昼時に寄ったコンビニで買っていたお煎餅とクッキーが補給食代わりに役立った。普段こんなの買わないのに、なにかの予感でもしたのだろうか。ちなみにこれが無かったらホントやばかったっす。

 三本杉岩だ。でもなんだか景色など観る気もおきない。距離計はもう120kmを越えている。こんなに走ったのは初めてだし、しかも今日は雨と風。体力的によく持ってるなぁと自分でも不思議に思う。そしてやっとキャンプ場への案内版が表れた。

「瀬棚青少年旅行村」

 ここも他と変わらず偉い高台にある。入り口から1kmは必死で押す。ここさえ上れば横になれる、飯が食える! そしてや〜っと管理棟へ到着。管理人さんは私を見てぎょっとしていた。そりゃそうだ、なにせ全身ずぶ濡れなのだから。(^^;

 この状態じゃテントは無理なので、一泊2,000円のバンガロー(6畳程度で3人分)へ入る。大急ぎでバッグの状態を確認する。げー! かなり水がしみてるー!(;_;) VAIOも濡れてるー! このバッグ、まったく防水性が無いんじゃないかー!(;_;) 動揺を隠せず、とにかく中の物を全て出してチェックする。致命的なものはなさそうだ。VAIOはこのままで電源を入れないで置いておこう。

 シャワーを浴びる。やっと落ち着いた感じ。ランドリーで洗濯して部屋に干す。風通しがいい部屋(要するにすき間が多い)のでこの天気でも乾いてくれるだろう。

 お腹が空いているはずなのに、食欲が無い。とりあえずコンビニで買ってあったフルーツの缶詰を空ける。おおおお、これがまた美味い。果物なんて久しぶりだしなぁ。はぅ〜、美味すぎるー! と、これだけで十分満足してしまった。

 今日のルートは、キャンプ場が多く点在していなかった。そのために予定のキャンプ場が使えないとなると状況は最悪になることがよくわかった。今後、松前あたりもそんなルートなので、最悪パスすることも有り得るだろう。ていうか、今日一日で気力も使い果たした気がする。(^^; 無理して回ることは考えず、ショートカットをしてもいいかな…と考え始めた。

走行距離 132.6km
実走行時間 8h24m
平均速度 15.7km/h
最高速度 47.8km/h
積算距離 2309.2km


1999年07月29日(Thu) edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 45日目 暇な休養日

 起きてみた所で状況は変わってない。は〜、今日も移動できないなぁ。でも昨日で二日分移動してるからまぁいいか…と思ってみたりする。天気予報も変わってないし、下手をすれば明日も動けない。冗談じゃないぞ。なんだか最近気持ちが焦ってる気がする。無性に秋葉原に行きたい。(^^; そろそろ帰ってもいいかなぁと地図を見る。ショートカットする方法はあるにはある。むー。一応ルートを考えて、後は天気と自分の気分に任せることにする。

 朝食後、管理棟に連泊の手続き。後は部屋でボーッとする。よし、温泉に行こう! というワケで雨降る中、3km程離れた温泉へ歩いていく。温泉だからシャンプーとかあるだろうと思って持っていかなかったら見事に無い。しょうがないので買う。無駄金だ。温泉は無色透明。のぼせるまで入る。

 帰りがけに買い出し。米とか酒とか。おかげで重い。バンガローに着く頃にはまた汗だく。着ていたTシャツは、もうどこも乾いてないほど。額からあごから汗がぼたぼた。風呂の意味無し。それほどに荷物は重く、気温は蒸し暑いのである。(;_;)

 昼食後は昼寝。買い物の中にワインもあり、ヘロヘロになってしまったのだった。(^^;

 夕食。玉子を買ったので、ゆで玉子にしてみる。沸騰寸前の火力(バンガローの中なので、微妙な火加減が可能なのがうれしい)で15分。うきょー! なぜだかすっごく美味いー!(;_;) 感動しながら食う。

 ラジオの天気予報だと、明日一日もダメらしい。どうしようか。考えつつ酔っ払いつつ就寝。

本日未走行のため走行データ無し。


1999年07月30日(Fri) edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 46日目 どうするよ、もう。(;_;)

 朝から頭が痛い。どうも、雨を吸わせていた新聞紙の異様な臭いにやられたのか、それとも風邪が本格化してきたのか…。とりあえず新聞紙は全て捨てる。

 朝のラジオの天気予報では、この天気は日曜日には回復…、つまり後2日雨が続くという。別にここに居るのも問題はないのだけど、暇でたまらん。どうしようかと考える。雨の中、走るのは別に気にならないのだけど、なにせ雨量が結構多いため、崖崩れによる通行止めが恐い。いざ進んでみて「ここから行けません」はシャレにならない。とりあえず後80kmくらい進んで江差へ行けば、そこから列車が使えるのだけれど、結局この天気ではどうにもならない。

 いずれにしても移動は困難だ。とりあえず、今日もここに泊まることにしよう。というコトで、再び手続き。

 雨はかなり激しく降っている。国道は苫前の辺りが、道道は何カ所かが通行止めになっているらしい。はぅ、どーにもならんな、こりゃ。

 買い物に行けない。行けないことはないけれど、どうせ傘など何の役にも立たない。ずぶ濡れ必至。まぁ食い物は豊富にあるのだけど、酒が…。(^^; 今夜でガス欠かもしれない瓶を振ってみる。明日には移動できるといいなぁと、回復が早まってくれることを祈る。

 表に出られないのですることはもう寝るだけ。頭も痛いし。ラジオを聞きつつ、ひたすらひたすら時が過ぎるのを待つ。ボーッとするのは慣れているはずなのに、今回はどうも気持ちが焦る。もうすぐこの旅も終わるということで気が早っているのかもしれない。

 やっと午後3時。シャワーを浴びに行こうと表に出るとなんと、雨が止んでるぞっ!(^^) このまま回復してくれぇ! うれしさの余り、シャワーの後にソフトクリームを食べる。うみゃ。

 雲の切れ間から青空がちらりと見える。うんうん、いい感じだ。いまだに湿っぽい洗濯物(ここに来た日の夜からずっと干している)が乾くよう、扉全開。いい風が入ってくる。頭痛も治りそうだ。

 旅も終盤に入った。可能な限り身軽にしたいため、「無いとちょっぴり不便」クラスの荷物を自宅へ送るべく、別に分ける。すでに気分は「明日は晴れ」らしい。辺に期待はするなと自分に言い聞かせるも、あんまり効果なし。浮かれ気分のまま夕食。就寝。

本日未走行のため走行データ無し。


1999年07月31日(Sat) edit

[ツーレポ] 北海道ツーリング 47日目 許してください、ホントに。(;_;)

 まだまだ雨である。先日からの頭痛も相変わらず。早朝から、ここから逃げ出す策略をいろいろと考えてみたものの、この雨がある以上、簡単には行かない。とにかく、何がどうであろうと、天候が回復するまでは動けない。というコトで、泣く泣くまた連泊手続き。

 午前10時の予報では、明日の日曜日は午前中、とりあえず雨は上がるが、午後からまた降りだすらしい。そして、月〜水までは晴れないが、降らないかも…という、ハッキリしない天気。

 ……。

 決めた。道南は諦めよう。雨が上がったチャンスを狙って一気に長万部までバス、そこから室蘭へ行って人に会って、乗れるなら北斗星、ダメなら苫小牧からフェリー。または千歳から飛行機で帰ることにしよう。

 江差線は今のところ木古内〜江差間の運転が止まっているらしく、バスによる代替え運転が行われているとか。その他、相変わらず国道、道道ともに通行止めになっているところが多い。む〜。どうにもならないな。雨そのものは午後から止んでいるが、ひと休みをしているだけで、いつまた雨になってもおかしくない天気なワケだ。バッグも防水じゃないことが判明してしまい、雨天走行はデメリットのほうが大きい。ダメダメダメ。ぜーんぶダメだ。精神的にも凹んでくる。

 今日で47日目。さすがに疲れてきた。肉体的にも、精神的にも。今回のツーリングが最後というワケでもなし、道南は今後にとっておくことにしよう。この長雨は、早く帰れという警告なのかもしれない。…と思うようにする。(^^;

 エア・ドゥのお陰で北海道はかなり行きやすくなった。JASもJALもシーズンには同レベルまで値下げするようになった。またきっと次がある。それを楽しみにして今回は一旦引き上げということにしよう。

 とにかく、明日は室蘭だ。

本日未走行のため走行データ無し。


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